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日本人監督の欧州進出へ、指導者ライセンス改革が必要 モラス雅輝「このままでは認められない」

このままでは「UEFAが日本のライセンスの互換性を認めることはない」

 ただし、あくまでUEFAは将来的にこうした落差を是正し、現役実績を優遇することなく指導者としてのキャリアを評価対象にしていく姿勢を強めている。もし日本が指導者ライセンスの互換性を認めてほしければ、UEFAの基準に近づけていく必要があるのは紛れもない事実だ。

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「残念ながら、このままではUEFAが日本のライセンスの互換性を認めることはないと思います。現実に今年は1度も監督経験のない中山雅史さんが、J3の(アスルクラロ)沼津で指揮を執っている。UEFA基準では、JFLで2年間ほどの監督実績がなければプロライセンスは受講できないわけですからね」

 日本でも選手の海外進出は加速している。次は指導者のトップレベルでのキャリアが欲しいフェーズに入ってきている。だがその道を切り拓くには、明らかに発想の展開が要る。(文中敬称略)

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(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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モラス 雅輝

ザンクト・ペルテン テクニカルダイレクター 
1979年1月8日生まれ。東京都調布市出身。16歳でドイツへ単身留学、その後指導者の道へ進む。オーストリアサッカー協会のコーチングライセンスを保持し、男女のトップチームや育成年代を指導してきた。2008年途中から10年まで浦和レッズのコーチ、19年6月からはヴィッセル神戸コーチとなりクラブ史上初の天皇杯優勝を経験した。21年からは再びオーストリアに戻り、22年7月にザンクト・ペルテンのテクニカルダイレクターに就任した。

加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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