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ラグビーW杯メンバー争いが激化 6月から“45→33人”選考開始、日本代表HCの思惑とは

8月26日のイタリア戦は本番への最終確認の場

 7月からの6試合の相手は、ティア1勢と過去最多となるテストマッチ5試合を消化した昨年と比べると物足りない印象だが、世界トップレベルのゲームをオールブラックスXVとの2試合で埋め合わせて、フィジカルが武器の南太平洋3か国と戦っていくことになる。リーグワンで好調を維持するFL(フランカー)/NO8リーチ・マイケル(東芝ブレイブルーパス東京)も、南太平洋勢との対戦について「フィジカルのところが一番プラスになる試合だと思う。イングランド、アルゼンチンらと、どれくらい接点の強さが通用するかを測る試合になる」と位置づける。もちろん、サモア戦はW杯で対戦する相手との注目の前哨戦だが、過去2大会で連勝している相手に力負けするようでは、本大会で掲げる目標には辿り着けないだろう。

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 惜しまれるのは、イタリア戦がW杯直前の8月26日に組まれていることだ。昨秋にはオーストラリアを倒し、現在6か国対抗でも充実したゲームを見せる強豪は、より早い段階で試合を組めれば、課題を洗い出して日本代表の強化をさらに進化&深化させるには絶好の相手だったが、開幕2週間前ではW杯へ向けた最終段階のチェックが中心になる。両チームのスケジュールなどを加味するとやむを得ない日程だが、ジョセフHCが「自分たちの現状を知るベンチマークになる」と語ったように、今回はイングランド、アルゼンチン戦など本番へ向けた最終確認の場となりそうだ。

 会見で指揮官が何度も口にしたのが「コネクト」という単語だ。これまでも代表チームで何度も使われてきたが、他国以上に15人が組織体としてどこまで繋がり合えるかが生命線になるのが日本代表だ。会見で指摘したセットプレー、キック、防御も含めて、チームがどこまでコネクトし合い、完成度を高めることができるのか。W杯8強超えを目指す戦いは、残り半年を切った。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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