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清宮と1号と名言 「マグレではないかな」と重なった、あの夏の言葉

16歳の夏、清宮幸太郎は、こう語っている。 「自分はまだまだこんなもんじゃないんで。もっと期待していただいて、その期待に応えていくやりがいをしみじみと感じながら、野球を楽しみたいです」 3年後の春、18歳となった怪物はプロ1号となる本塁打を放った。5月9日のオリックス戦(京セラD)。1年目ながら日本ハムの5番に座った背番号21は第1打席、ディクソンの変化球を捉え、高い放物線を描き、そして、右翼席に叩き込んだ。

清宮幸太郎【写真:Getty Images】
清宮幸太郎【写真:Getty Images】

プロ1号の日本ハム・清宮幸太郎が16歳で語った言葉

 16歳の夏、清宮幸太郎は、こう語っている。

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「自分はまだまだこんなもんじゃないんで。もっと期待していただいて、その期待に応えていくやりがいをしみじみと感じながら、野球を楽しみたいです」

 3年後の春、18歳となった怪物はプロ1号となる本塁打を放った。5月9日のオリックス戦(京セラD)。1年目ながら日本ハムの5番に座った背番号21は第1打席、ディクソンの変化球を捉え、高い放物線を描き、そして、右翼席に叩き込んだ。

 あの夏の軌道と、やけに似ていた。熱心な高校野球ファンなら、そう思うかもしれない。

 2015年8月15日、1年生ながら早実の3番に座った背番号3は夏の甲子園3回戦・東海大甲府戦。相手エースの変化球を捉え、やはり、右翼席に叩き込んだ。これが、甲子園1号。滞空時間の長い、いわゆる“打った瞬間”というやつだ。

 ネット裏最上部の記者席から見た風景は、鮮明に焼き付いている。4万5000人がはっと息を飲み、一瞬、時が止まったような感覚。遅れてやってきた歓声。本人も「映画みたいだった」と振り返っている。

 冒頭のコメントはその日の試合後、お立ち台で言い放ったものだ。

「清宮ジュニア」の名がついた怪物は入学と同時にメディアの注目の的になり、あれよあれよという間に夏の西東京大会を勝ち上がり、甲子園にやってきた。現地入りしただけで一面を飾り、報道陣は試合そっちのけで早実の練習場に連日大挙していた。

 焦点は甲子園1号はいつ出るか。過熱する報道に対し、「話題先行」と懐疑的な見方もあったが、16歳は己のバットで“偽りの怪物”ではないことを証明した。

「自分はまだまだこんなもんじゃないんで」。期待された甲子園1号を放った直後、喜びに酔いしれるのかと思いきや、そう言い放った言葉の行間には、そんな世の中に対する強烈な矜持が滲んでいるように聞こえた。

 そして、「もっと期待して」とファンに呼びかけ、「野球を楽しみたい」と自分は余裕を見せた。到底、高校1年生とは思えない。底知れぬ期待感に胸が躍ったことを、鮮烈に覚えている。

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