[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

米紙記者に聞く五輪コロナ対策のリアル 「すし詰め状態」メディアバスに早期改善要望

海外メディアからメディアバスに早期改善の声

 新型コロナウイルス感染対策は誰にとっても新しいことで、何が正解なのか分かりません。全てが手探り状態です。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 五輪での感染対策もそれが顕著で、選手との接触を避けるためにミックスゾーンでは2メートルのソーシャルディスタンスが義務づけられている一方、開会式でマスクを着用しない選手がいたり、競技中の待ち時間にマスクなしに談笑する選手団がいたり。競技場にいる大会スタッフやボランティアがマスクを着用するように再三注意を促しますが強制力はありません。自主性や良心に頼る部分が大きいような気がします。

 海外メディアの中で早期改善を求める声が上がっているのは、メディアバスの状況です。各国メディアがSNS上に写真や動画を公開しているのでご存じの方もいると思いますが、メディアホテルからプレスセンターへ移動するメディアバスはすし詰め状態。知人のメディア関係者は「バスの中はとてもソーシャル(社交的)だったが、それほどディスタンスはなかった」とウィットに富んだSNS発信をしていましたが、まさにその言葉がぴったりです。

 これが2年前だったら何の違和感もなく「よくあること」と受け止めていたでしょう。実際、リオデジャネイロや北京でも同じ状況にありました。ただ、コロナ禍により昨年は世界各地でロックダウンや行動制限が実施された後なので、以前に増して広いパーソナルスペースが普通になり、他人が至近距離にいる状態に慣れていません。私も含め、コロナ禍発生以降、不特定多数の人とあんなに密な状態になったのが初めてだという人がほとんどだったようで、「もし検査で陽性反応が出たら感染場所はバスの中しか考えられない」と言う人もいたほどです。

 先日、水泳の大橋悠依選手が女子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した時、私は会場で取材をしていました。五輪で最高に盛り上がるのはホスト国で金メダル第1号が出た時だと言う人がいるほど特別な瞬間ですが、無観客ではそれも感じられません。歓喜の涙をこぼす大橋選手の姿に胸が熱くなる一方、大きな歓声で包み込んであげたかったと切ない気持ちにもなってしまいました。選手やファンに無観客という状況を強いるのであれば、IOCやJOCはもう少しきめ細かく整備されたコロナ対策が取れたのではないかという想いがよぎります。

 五輪期間中でもまだまだ状況を変えるチャンスはあります。大会10日目を迎える頃には、メディアバスの台数が増え、混雑が緩和されることを願いつつ、今日も取材活動を続けます。

(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)

1 2 3
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集