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ヘラクレス軍団の再建へ “ワセダの血”引く、大体大・安藤栄次新HCの決意

スローガンは「One Way」―「後戻りはできない。決めた方向に全員で進む」

 全部員との顔合わせは出来ていないが、リーダー陣とウェブ会議をした安藤HCは「いろいろ話をしていると、コーチングに飢えているという印象だった。学びたいという姿勢を感じました」と振り返り、就任が内定した段階で昨季までのチームの映像、データを見た印象をこう語った。

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「気持ちの部分やフィジカル面ではしっかりしている選手もいます。まずセットプレーの部分の改善が必要かな。後は15人がしっかりと動かないといけないので、それぞれの役割をもう少し明確にしていくことで、チームは相当よくなると思います」

 ヘラクレスの異名を持つチームだが、新指揮官は「強いだけではだめで、自分たちの武器とならなければいけないところです。そこはヘラクレス軍団といわれるチームなので、チームの文化として立ち返る部分。そこを軸にやっていきたい」と、伝統の強みをベースにした新生ヘラクレスの構築を進める意気込みだ。

 力強いFWをベースとして、目指すラグビースタイルについては「積極的な攻撃を仕掛けてほしいので、地域を問わずスペースのある所にボールを運んで、しっかりランニングラグビーとキックを混ぜながら前進していくラグビーをやりたい」と母校・早大にも通じる、日本代表など国際ラグビーでも主流となる攻撃的なスタイルに挑む。

 新型コロナウイルスによる先が読めない状況の中で、大体大では6月18日からの本格的な対面授業再開を視野に入れている。ラグビー部の活動もこのタイミングでの再開が目標だが、チームは新たなスローガンに「One Way」を掲げている。

「後戻りはできない、自分たちで決めた方向に全員が進んでいくという意味です」

 Aリーグ昇格は当たり前のこと。HC以外のコーチ陣はすべて大体大OBで固めた。革新と伝統をミックスさせた新たなチーム作りをめざすためだ。早大で学んだ常勝軍団のカルチャーと、昨年まで11シーズンTL再昇格に挑み続けた三菱重工相模原で体感した勝つ事の厳しさと決して諦めないマインドを生かして、令和のヘラクレス神話創造に着手する。

■安藤 栄次(あんどう・えいじ)

 1982年5月14日、埼玉県熊谷市出身。吉岡中1年でラグビーを始め熊谷工高―早大。卒業後はNEC入りして、2007年ワールドカップ日本代表メンバー入りしたが、大会直前のけがで離脱。通算13キャップ。12年に三菱重工相模原に移籍して14年で現役を引退するが、翌年もコーチ兼任で公式戦出場。15年からコーチ専念。5月から大体大ヘッドコーチ。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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