「校庭でやるのは初めて」と講師も驚き 元五輪選手が異色の「かけっこ×ボクシング教室」を仕掛けた理由
身体の動かし方を知れば、運動はもっと楽しくなる。走り方教室とボクシング教室を掛け合わせた身体操作のレッスンイベントが、3月22日に都内の板橋区立徳丸小学校で開催された。

アテネ五輪出場の伊藤友広さんが企画、板橋区の小学校で開催
身体の動かし方を知れば、運動はもっと楽しくなる。走り方教室とボクシング教室を掛け合わせた身体操作のレッスンイベントが、3月22日に都内の板橋区立徳丸小学校で開催された。
走り方教室は、2004年アテネ五輪の陸上男子1600メートルリレー4位入賞の伊藤友広さんと、元400メートルハードル選手の井原直樹さんが講師を務めた。ボクシング教室は、地元に店舗を構えるZEAL BOXING FITNESSが担当。元WBA世界ミニマム級5位の金田淳一郎さんや現役のプロボクサーが講師役となった。
走り方教室の指導をした伊藤さんは、イベントの企画者。共催である板橋区教育委員会との話し合いで、子どもたちに良い運動機会を与えることをテーマに、道具ではなく自分の体の扱い方を学ぶものとして、走り方とボクシングの同時開催を考えたという。
「体の動かし方を覚えて、測定記録が改善される体験を得られると、運動を通じて得られるものが大きい。子どものスポーツ環境を良くしたいという理念で共感して、実験的に2つの教室を一緒に行ったが、子どもたちが楽しそうで良かった。走り方は真剣に聞いて実践していたし、そこでは静かだった子たちがボクシングでは盛り上がっていた。良い体験をしてもらえたと思う」とイベントを振り返った。

イベントは参加した4年生と、5年生から9年生までの2組に分かれ、2つの教室を入れ替わって体験する形で行われた。走り方教室では、片足跳びの「ケンケン」やスキップなどを通じて、大きな一歩を意識。スタートの構えを学び前傾姿勢から前進していく体の運び方を練習した後、10メートル走と50メートル走のタイムを測定器で計測した。2種目を一度計測した後は、自由参加。手軽に走れる10メートル走でタイムの更新を狙って何度も参加する子どもが多かった。
7年生のサッカー少年は、50メートルを参加者最速の6秒93で走り、最後は大学生と勝負。「教えてもらうなかで、横に振っていた腕を縦に変えたり、スタートの時に足と同じサイドの腕を前にしていたのを逆に変えたりしたら、タイムが伸びた。大学生の方と一緒に走れて楽しかった」と笑顔を見せた。