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ふんぞり返る姿は「指導者と言えない」 スペイン人監督が日本の育成現場に見た疑問

リノ・ロベルトは、約10年間に渡りスペイン協会に指導者向けの戦略セミナーを任され、アトレチコ・マドリードでU-16監督やU-18副監督の経験を持つ。元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス(現・サガン鳥栖)やスペイン代表MFコケらのプレーは小学校低学年頃に見ており、一昨年3月に来日し埼玉県のジュニアユースチームでU-15監督を務めた。

リノ氏はスペインと日本の育成環境の違いを指摘した【写真:編集部】
リノ氏はスペインと日本の育成環境の違いを指摘した【写真:編集部】

【スペイン人×日本人サッカー指導者対談|第1回】両国の現場で感じた違い「日本では子供たちを平気で走らせる」

 スペインと日本の両国の現場を知る2人の指導者が顔を合わせた。

 リノ・ロベルトは、約10年間に渡りスペイン協会に指導者向けの戦略セミナーを任され、アトレチコ・マドリードでU-16監督やU-18副監督の経験を持つ。元スペイン代表FWフェルナンド・トーレス(現・サガン鳥栖)やスペイン代表MFコケらのプレーは小学校低学年頃に見ており、一昨年3月に来日し埼玉県のジュニアユースチームでU-15監督を務めた。

 一方の吉住貴士は、国見高校で全国制覇を達成し、鹿屋体育大を卒業後に指導者に転身。スペインでは4年間を過ごし、育成年代のチームの監督などを経験し帰国。現在はエスパニョールアカデミーの責任者として指導に当たっている。

 ◇ ◇ ◇

――リノさんは、日本の現場を見て、最もスペインとの違いを感じたのはどこですか。

リノ「スペインに限らず欧州では、すごくカンテラ(下部組織、アカデミー)の組織がしっかりしていて、育成方法も確立されています。例えば、欧州では15歳くらいまでの子供たちに素走りを課すことはないし、フィジカル的なメニューを組み込むのは大人になってからです。ところが日本では子供たちを平気で走らせていて、その結果、膝を壊して高校年代で辞めてしまう選手が非常に多い。トレーニングも週に3回で十分なのに、高校年代で毎日3時間以上もしているチームもある。しかもトレーニングを終えたら30分以内に補食をしなければいけないのに、それもできていない。連日長いトレーニングが続き、疲労ばかりが蓄積して身体ができません」

吉住「スペインでバルセロナのU-15の監督が、日本の高校生を相手にクリニックをする機会があり、通訳として関わりました。10時集合だったのですが、もう選手たちは9時半からグラウンドの外を走っていた。監督はクリニックには別の選手が来るのだろうと思っていたのに、グラウンドを走っていた選手たちが集まって来たので驚いていました。だったらもう練習の必要はないだろう、って。監督は言っていました。『日本人はピアノ演奏のウォームアップにバイオリンを弾くのか? 普通ピアノを弾くだろう。サッカーも同じだ。ボールを使わずに走っても意味がない』って。この言葉はすごく印象に残っています」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近東京五輪からプラチナ世代まで約半世紀の歴史群像劇49編を収めた『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』(カンゼン)を上梓。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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