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野球とサッカーの“二刀流”も 子供の「複数競技の掛け持ち」がドイツでも一般的なワケ

子供たちの行動を制限しすぎると想像力を育む機会が失われる

 冒頭で紹介したように、ドイツでは掛け持ちしている子供は少なくない。テニスやハンドボール、バスケットボール、卓球……。日程がずれていたら助かるけど、どこもそんな上手くいくわけでもない。そんな時に指導者側が理解を示してくれると、子供にとっても、親にとってもありがたい。

 指導者講習会に参加した時、元SCフライブルクキャプテンのユリアン・シュスターは、「子供のころ、僕は地元クラブでずっとプレーしていたけど、友だちと他のスポーツをしたり、遊んだりする時間が十分にあった。あの時間がその後の僕の大事なベースになっているよ」というコメントを残していたことがあるが、我々大人は、そんな子供の生活圏を守りながら、自分の好きなスポーツに取り組める関係性を作り上げることが大切なのだと思うのだ。

 一つのスポーツが大好きで、夢中になって、一生懸命に取り組むことは素敵だ。ただそうであることを強制してしまうのは、また違う。子供時代に育んでおくべき何よりも大事なものを置き忘れてしまったら、悲しいではないか。

 子供たちは自分たちの行動を制限されすぎると、自分でその状況からどんなプレーができるかという想像力を育む機会が失われ、新しいアイデアを生み出しにくくなると、指導者ライセンス講習会で話を聞いたことがある。大人発信による“よかれと思って”の押し売りが、子供たちを縮こまらせる追加のストレスにならないように気をつけたいものだ。

(中野 吉之伴 / Kichinosuke Nakano)

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中野 吉之伴

1977年生まれ。武蔵大学人文学部欧米文化学科卒業後、育成層指導のエキスパートになるためにドイツへ。地域に密着したアマチュアチームで様々なレベルのU-12からU-19チームで監督を歴任。2009年7月にドイツ・サッカー協会公認A級ライセンス獲得(UEFA-Aレベル)。SCフライブルクU-15チームで研修を積み、2016-17シーズンからドイツU-15・4部リーグ所属FCアウゲンで監督を務める。『ドイツ流タテの突破力』(池田書店)監修、『世界王者ドイツ年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)執筆。最近はオフシーズンを利用して、日本で「グラスルーツ指導者育成」「保護者や子供のサッカーとの向き合い方」「地域での相互ネットワーク構築」をテーマに、実際に現地に足を運んで様々な活動をしている。

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