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幼稚園児が楽しくサッカーをする環境とは ドイツで最適化されたルールと開催方式

小さな子供たちがボールを追いかけて走り回る。ぶつかって転んで、立って走って、泣いて笑って怒って喜んで。みんながサッカーに夢中になっている、そんな風景ってとても素敵だ。いつまでも眺めていたい。だからそうした風景を子供たちが見られるように、大人は環境を準備してあげることが大切だと思う。

【連載コラム】ドイツ在住日本人コーチの「サッカーと子育て論」――子供が夢中になれる環境を

 小さな子供たちがボールを追いかけて走り回る。ぶつかって転んで、立って走って、泣いて笑って怒って喜んで。

 みんながサッカーに夢中になっている、そんな風景ってとても素敵だ。いつまでも眺めていたい。だからそうした風景を子供たちが見られるように、大人は環境を準備してあげることが大切だと思う。

 例えばドイツでは、幼稚園児のサッカー環境についても真剣に議論している。彼らに必要なフィールドの広さ、人数、ボールの大きさ、大人の接し方。8対8とか、11対11とかはもちろんない。試合形式はGKを入れて5対5が基本。フィールドの大きさは20×15メートルのサイズ。試合開催の頻度についても、様々な修正が加えられてきている。

 ミッテルライン州では「スポーツフェスト」という名前での開催を推奨している。1か月に1回程度、4チームによる総当たり戦の形式で、“試合”ではなく“お祭り”としてのイベントなのだ。

 これだと、たしかに子供たちもみんな楽しく参加することができる。5対5で20×15メートルのサイズなら、それぞれの子供たちがサッカーゲームに関わりやすい。またゴールに関してもコーンやミニゴール、あるいは少年用ゴールを使うならばロープなどで半分の高さで区切ることを提言している。小さな子供がどう頑張っても届かない高さにシュートを打たれたら、どうしたって止められないからだ。

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中野 吉之伴

1977年生まれ。ドイツサッカー連盟公認A級ライセンスを保持する現役育成指導者。ドイツでの指導歴は20年以上。SCフライブルクU-15チームで研鑽を積み、現在は元ブンデスリーガクラブであるフライブルガーFCのU12監督と地元町クラブのSVホッホドルフU19監督を兼任する。執筆では現場での経験を生かした論理的分析が得意で、特に育成・グラスルーツサッカーのスペシャリスト。著書に『サッカー年代別トレーニングの教科書』(カンゼン)、『ドイツの子どもは審判なしでサッカーをする』(ナツメ社)がある。WEBマガジン「フッスバルラボ」主筆・運営。

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