聖ウルスラ英智、創部13年目で男子団体初V “泣き虫先生”が伝えた人生で大切なこと
全国高校総体(インターハイ)のバドミントンは2日、熊本・八代トヨオカ地建アリーナで行われ、男子団体戦では聖ウルスラ学院英智(宮城)が浪岡(青森)を3-0で下し、創部13年目で初優勝を果たした。部員1人だった創部当初からチームを率いる“泣き虫先生”が、選手たちの成長に号泣。自立を促す指導を受けてきた教え子たちは、最高の恩返しで応えてみせた。
今春選抜王者にリベンジ成功、部員1人から始めた畑山辰徳監督は号泣
全国高校総体(インターハイ)のバドミントンは2日、熊本・八代トヨオカ地建アリーナで行われ、男子団体戦では聖ウルスラ学院英智(宮城)が浪岡(青森)を3-0で下し、創部13年目で初優勝を果たした。部員1人だった創部当初からチームを率いる“泣き虫先生”が、選手たちの成長に号泣。自立を促す指導を受けてきた教え子たちは、最高の恩返しで応えてみせた。
優勝候補を大舞台で退けた。春の全国選抜でシングルス、ダブルス、団体戦の3冠を達成し、世代No.1の呼び声高い奈良岡功大(3年)を要する浪岡との決勝。聖ウルスラ学院英智が2-0であと1勝としたところで、藤澤佳史(3年)と熊谷翔(3年)が奈良岡、武藤映樹(3年)ペアを相手に勝負を決めた。
選抜団体戦決勝と同じカード。4か月前、藤澤、熊谷ペアは2-3で敗れた。藤澤は奈良岡との前衛対決に集中。相手にほころびが生まれると、すかさず後衛の熊谷が決めた。「藤澤が抜かれたら、僕がカバーするつもりだった」と熊谷。抜群のコンビプレーで過去4戦全敗の相手に最後の最後でリベンジ成功。選抜決勝の屈辱を倍返しにするチームスコア3-0のストレート勝ちで悲願の初優勝を遂げた。
「この仕事をしていると、彼らの成長に驚かされる」。目を真っ赤にして涙をぬぐったのは、畑山辰徳監督だった。2007年の創部から指導してきた36歳。「監督は無力。君たちを信じるしかなかった。自分がすげぇ恥ずかしいよ。優勝できるか不安で寝れない日もあった」。優勝後、選手たちの前で語る目から大粒の涙が止まらなかった。
最初は部員1人から始まった聖ウルスラ学院英智バドミントン部。コートは1面もなく、ソフトテニス部から助っ人を呼んで大会に出たこともあった。そんな心細い監督生活で徹底したのは「自立させる」ということ。「大学、社会に出た時に自分から考えて、向上心を持って生きてほしい」。優しさを持って人に接することの大切さを伝えると「あの学校いいよね」と噂が広まり、徐々に部員が増加。今や男女合わせて44人になった。