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苦悩した前橋育英“10番”、13年ぶり優勝導く劇的弾 決勝前夜、仲間に伝えていた決意

これが10番の仕事だ! 試合終盤に決勝点を決めた小柄なストライカーは、カメラに向かって自身の背番号を強くアピールした。

13年ぶり2度目のインターハイ制覇を果たし、夏の王者となった前橋育英【写真:平野貴也】
13年ぶり2度目のインターハイ制覇を果たし、夏の王者となった前橋育英【写真:平野貴也】

全国高校総体サッカー男子、前橋育英が帝京を1-0で破り2009年大会以来の日本一

 これが10番の仕事だ! 試合終盤に決勝点を決めた小柄なストライカーは、カメラに向かって自身の背番号を強くアピールした。

 全国高校総体(インターハイ)のサッカー男子は30日に徳島県のポカリスエットスタジアムで決勝戦を行い、前橋育英(群馬)が1-0で帝京(東京)を破り、2009年以来13年ぶり2度目の優勝を飾った。後半のアディショナルタイムに唯一のゴールを奪ったのは、前橋育英の10番を背負うFW高足善(3年)。今大会初ゴールという待ちに待った10番の一撃が、チームを日本一に導いた。

 チャンスを作るが決めきれない展開が続き、大会中は気落ちする部分もあった。しかし、昨季10番だった笠柳翼(V・ファーレン長崎)から「10番は、お前に与えられたんだから自信を持て」などメッセージをもらい、立ち直れたという。主将を務めるMF徳永涼(3年)は「善も責任を感じていて、自分たちで夜にミーティングをやっているけど『明日、自分が点を取って勝つから、自分を信じてボールをくれ』と言っていた」と試合前夜の様子を明かした。

 高足は、身長158センチと小柄ながら、スピードと運動量に優れ、ドリブルシュートを武器とする。鋭い動き出しでパスを呼び込み、ゴールを狙い続けた。それでも、後半の立ち上がりのチャンスは相手GKに防がれ、後半12分にGKとの1対1の場面で放ったループシュートもゴール左へ。その3分後に前線でのターンから打ったシュートもGKに防がれるなど、なかなか決めきれなかった。ただ、ゴールを狙う姿勢は崩さなかった。

 大会中、高足が無得点で苦しんでいることは、チームの誰もが知っていた。最終決戦における高足へのオーダーは、ゴールを狙い続けることだった。山田耕介監督は「2回か3回、決定的な場面があったけど(クーリング)ブレイクタイムでも『大丈夫だ、3回決定的なチャンスを外しても1回決めればいいんだから。もう1回絶対にある』と言った」と背中を押し続けていた。

 そして後半アディショナルタイム、中盤のスローインを起点にしたプレーから右MF堀川直人(3年)のワンタッチパスを受けた高足は、中央から右前方へ得意のドリブルで運んでシュート。「最後はコースというより、気合いで打った」と振り返った一撃は、コースこそ甘かったものの、相手GKの手を弾いてゴールへ。高足はユニフォームを引っ張って番号を指し示すなど10番をアピール。「周りが見えなくて、やってやったぞという気持ちで、うるっときた。不甲斐ないプレーばかりで、10番としての責任を感じていた」と溜め込んでいた思いを爆発させた。

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