「最後は私がなんとかするから」― 創部4年目の帝京可児、県の歴史変えた全国初切符
苦戦を強いられてきた岐阜勢、監督「ここで得た課題を次につなげたい」
岐阜県代表はこれまで一度も高校総体へ出場したことがない。それどころか、岐阜が東海総体で勝利するのも今年が初めてだ。2016年に帝京可児に女子部が新設される以前は、2007年に県下初の女子サッカー部として創部された富田が東海総体に出場していた。しかし、富田も部員が11人に満たず。2015年には7人で大会に臨み、藤枝順心に0-38の大敗を喫するなど、他県に大きく差をつけられてきた。
帝京可児も初年度は5人でスタート。翌2017年に、寺田ら現3年生8人が加わり、初めて東海予選に出場するが、三重に0-3、藤枝順心に0-5、聖カピタニオに0-1と3連敗に終わった。昨年は三重に0-0、藤枝順心に0-0、聖カピタニオに1-1と健闘したが、1期生とともに全国へ行くことは叶わなかった。3度目の正直の今年、第1節の豊川戦を1-0で勝利して歴史の扉に手をかけると、2節で藤枝順心に敗れたものの、3節の神村伊賀に競り勝ち、重い扉をこじ開けた。
「本当はもう1年早く全国に行かなきゃいけなかった。しかし、どうしても県の予選がない分、公式戦で緊張してしまい、普段の力が出せないことが課題でした。今年はここに至るまでの間にあえてプレッシャーを強くかけてきました。それが効いたのか分かりませんが、今日も選手が笑顔で試合に入ることができていました。
藤枝順心には今日も手を変え品を変え挑みましたが、全部対応されました。日本一を穫るチームなので当然ですが、まだまだ届かないなと。でも、『ああ、こういう風にやるんだ』と、目の前でいい攻撃を見せてもらったので、選手にとってはいい勉強になりました。もう一皮むかないと全国では戦えないということを今日あらためて実感したので、ここで得た課題を次につなげていきたいです」と高橋悦郎監督は満面の笑顔で、全国初陣に向けての決意を語った。