「最後は私がなんとかするから」― 創部4年目の帝京可児、県の歴史変えた全国初切符
第66回東海高等学校総合体育大会サッカー競技女子が、22日、23日の2日間にわたり静岡県藤枝市で開催され、岐阜県代表の帝京可児が創部4年目にして悲願の全国大会の切符を掴んだ。
岐阜初の高校総体出場、入学当初13人の部を牽引した寺田主将「やっと、という感じ」
第66回東海高等学校総合体育大会サッカー競技女子が、22日、23日の2日間にわたり静岡県藤枝市で開催され、岐阜県代表の帝京可児が創部4年目にして悲願の全国大会の切符を掴んだ。
「最後は私がなんとかするから、任せて」
2節を終えて、藤枝順心が2勝(勝ち点6)で早々と全国を決め、帝京可児が1勝1敗(同4)、豊川と神村学園伊賀分校が1分け1敗(同1)。どのチームにも全国のチャンスがある状況で迎えた最終節。緊張が見られる仲間に、帝京可児のキャプテン・寺田音羽(3年)はそう声を掛けた。
再三あと一歩のところまで迫りながら、神村伊賀の粘り強いディフェンスを打破できず0-0のまま迎えた後半33分(35分ハーフ)。神村伊賀DFがヘディングで弾き出したセカンドボールに反応した寺田が右足を振り抜く。豪快な一撃はきれいな弧を描き、ゴール右隅へと伸びていく。スタジアム全体が、その弾道を祈るように見守る。神村伊賀のGK中島桃愛(1年)も懸命に反応したが、届かない。ボールがネットを揺らすのを見届けると、寺田は両手を突き上げて喜びを爆発させた。一人、また一人とチームメートが駆け寄り、笑顔の輪が広がった。
「やっと、という感じです。今年はどうしても全国に行くという強い決意で、1期生の願いやベンチ外のメンバーの気持ちを背負ってがんばりました。全国を決めることができて、ホッとしています。私が1年生の時は部員が13人しかおらず、11vs11の紅白戦ができないなど苦労もしたので、うれしさが溢れてしまって」と寺田は弾けんばかりの笑顔で語った。
岐阜県の女子サッカーにとっても、歴史を変える偉業だった。静岡、愛知、岐阜、三重の各代表校による総当たりのリーグ戦を行い、上位2チームが全国大会への出場権を手にする東海予選。女子サッカーが高校総体の種目に加わった2012年より、全国優勝経験を持つ静岡県代表の藤枝順心が第1代表の座を一度も譲らず君臨。愛知県代表の聖カピタニオと三重県代表の三重が第2代表の座を分け合ってきた。