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7割の教職員が休日指導に前向き 部活動の地域移行、情熱注ぐ顧問と専門コーチの価値

近年加速する日本の少子化は様々な社会問題を引き起こす要因であり、その対策は急務なものとして活発に議論されているが、部活動の現場に目を向ければ影響はすでに形となって表れている。部員が集まらずにチームを組めない、部活動自体が消滅し子供たちが幼少期から親しんだ競技を続けることができない――。教育現場や各スポーツ団体で大きな変革が求められている今、様々なアイデアで部活動の“新たなカタチ”を模索する動きを追う連載「少子化とブカツの未来」。埼玉県白岡市では、2023年度から公立中学校でスタートする部活動の地域移行を先行実施している。生徒や教職員を対象にした事前アンケートから見えた現在の部活動に対する傾向、そして実際に現場で教えた競技専門コーチたちの声を紹介する。(取材・文=河野 正)

指導員の松本風香さんとトス打撃の練習をする、白岡市立南中のソフトボール部員【写真:河野正】
指導員の松本風香さんとトス打撃の練習をする、白岡市立南中のソフトボール部員【写真:河野正】

連載「少子化とブカツの未来」、埼玉県白岡市の地域移行・第2回

 近年加速する日本の少子化は様々な社会問題を引き起こす要因であり、その対策は急務なものとして活発に議論されているが、部活動の現場に目を向ければ影響はすでに形となって表れている。部員が集まらずにチームを組めない、部活動自体が消滅し子供たちが幼少期から親しんだ競技を続けることができない――。教育現場や各スポーツ団体で大きな変革が求められている今、様々なアイデアで部活動の“新たなカタチ”を模索する動きを追う連載「少子化とブカツの未来」。埼玉県白岡市では、2023年度から公立中学校でスタートする部活動の地域移行を先行実施している。生徒や教職員を対象にした事前アンケートから見えた現在の部活動に対する傾向、そして実際に現場で教えた競技専門コーチたちの声を紹介する。(取材・文=河野 正)

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 文部科学省は2023年度から休日に限り、公立中学校の部活動の指導を地域のスポーツクラブなどに委ねる地域移行をスタートさせる。スポーツ庁では、この改革に向けた課題や成果を検証するため、21年度から全国の一部中学校で地域クラブ活動を試験的に実施している。埼玉県白岡市はこのモデル事業に初年度から参画し、本格的な導入に向けて準備に余念がない。

 スポーツ庁は21年度、地域運動部活動推進事業を2億円の予算で新設。今年度は3億円に増額し、全国各地の拠点校で部活動の地域移行に向けたシミュレーションとなる実践研究を進めてきた。

 菁莪(せいが)、白岡、篠津、南と白岡市内には公立中学が4校あり、少子化による部活動の現状や今後の展望などを考慮した末、スポーツ庁の事業に参加することを決めた。

 21年度は11月から、4校合わせて10の部活動で試験的に実施。学校や顧問と協議し、以前から指導にあたってきた外部コーチに任せるのが適切と判断した軟式野球、バスケットボール、バレーボール、ソフトテニス、剣道、吹奏楽が対象になった。

 市ではこれに先立ち、部活動の実態や地域移行に向けた希望や不安などを把握するため、市内の中学1、2年生とその保護者、教職員を対象に21年8月に意識調査した。

「地域の専門家による指導を望むか?」の問いに生徒は約5割、保護者は5割超が「受けたい」と回答。自分の中学にはないが、やってみたい競技を尋ねると、市内の中学にはどこにも存在しないダンスが1位となり、一部中学で活動しているバドミントン、卓球、陸上が人気だった。

 白岡市教育指導課で地域クラブ活動を担当する石島隆志指導主事は、生徒が好む種目について「軟式野球やサッカーなど団体競技が1つもありませんでした。自分のペースで楽しみたい、仲のいい者同士の小さな集団でやりたいと思う生徒が多くなっているようです」と分析する。

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