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キャプテンは完璧じゃなくていい “ラグビー界最高の主将”がジュニア世代に贈る言葉

「THE ANSWER」はスポーツ界を代表する元アスリートらを「スペシャリスト」とし、競技の第一線を知るからこその独自の視点でスポーツにまつわるさまざまなテーマで語る連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。元ラグビー日本代表主将の廣瀬俊朗さんがスペシャリストの一人を務め、スポーツにまつわる話題を豊富な知見を活かして定期連載で発信する。

「キャプテンに必要なもの」について語る「THE ANSWER」スペシャリストの廣瀬俊朗氏【写真:松橋晶子】
「キャプテンに必要なもの」について語る「THE ANSWER」スペシャリストの廣瀬俊朗氏【写真:松橋晶子】

「THE ANSWER スペシャリスト論」ラグビー・廣瀬俊朗

「THE ANSWER」はスポーツ界を代表する元アスリートらを「スペシャリスト」とし、競技の第一線を知るからこその独自の視点でスポーツにまつわるさまざまなテーマで語る連載「THE ANSWER スペシャリスト論」。元ラグビー日本代表主将の廣瀬俊朗さんがスペシャリストの一人を務め、スポーツにまつわる話題を豊富な知見を活かして定期連載で発信する。

 今回のテーマはキャプテン論。現役時代は高校、大学、社会人、日本代表とキャプテンを務め、“ラグビー界最高のキャプテン”とも評された廣瀬さんが説く「キャプテンに必要なもの」とは。またキャプテンが変わるとチームはどう変わり、どう強くなるのか、考えを聞いた。(聞き手=THE ANSWER編集部・角野 敬介)

 ◇ ◇ ◇

――高校、大学、社会人(東芝)、日本代表とキャプテンを務めた廣瀬さんご自身の経験を踏まえ、キャプテンが持つ役割の大きさを教えていただけますか。

「まず、前提として年代や競技によって違ってくると思います。特に中学、高校では監督の影響が非常に大きい。とはいえ現場で意思決定するのはキャプテンの役割ですし、周りからこのキャプテンと一緒にやりたいと思われなければ、いいチームは出来ない。ラグビーにおいてキャプテンは多くの役割を担います。野球だと、監督がフェーズごとに指示を出すことができるので、それを遂行していくという側面もあります。

 ラグビーの場合はそうではない。プレーが止まらないので、キャプテンがプレー中にチームの意思決定をしなければならない。また間を繋ぐというのも大きな役割の1つです。監督・コーチと選手の間に入って、どう橋渡しをしていくのか。そういったマネジメントを含めて、ラグビーの場合は特にキャプテンが担う役割は大きいと言えるでしょう」

――廣瀬さんが理想としていたキャプテン像とはどんなものでしょうか。

「キャプテンにとって大事なのはまずリーダーシップ。そしてプレーで引っ張ることです。リーダーシップに関しては、自分がどんなチームを作りたいのか、どんな人間になりたいのかをきっちり提示して、それを1人ではなくて、仲間と一緒に実践していくことを大事にしていました。

 中学、高校とその時々のキャプテンに影響を受けてきました。高校1年時のキャプテンは『一緒にやろうや』というタイプ。1年から見ての3年なので、怖いところもありましたが、気さくでもあった。周りを巻き込んでいくタイプでした。対照的に2年時のキャプテンは、孤高でストイックに自分自身を追い込むような、どちらかと言えば言葉ではなく背中で引っ張るタイプでした。3年時は僕がキャプテンになったのですが、孤高の存在というよりは周りを巻き込みながら一緒にやっていきたいと思うタイプでした。色々な人を見ながら、影響を受けながら、考えながら自分の理想を目指していたのだと思います」

――高校時代の経験でキャプテンとはこういうものだと土台が出来上がったということでしょうか。

「まだ土台というほどのものができたというわけではありません。大学になれば環境も変わります。部員の数も一気に増えますし、また社会人になれば、年上の選手もいれば、自分よりも上手い選手もいます。常に環境が変わる中でどうチームを引っ張っていくか。“キャプテンとはこういうもの”と決めたことをやり続けたわけではなくて、年代によって変わっていきました。同じやり方というものはなかったです。監督のタイプによっても求められるものは違ってきますし、そこは常に試行錯誤しながらの日々だったかなと思います」

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廣瀬 俊朗

THE ANSWERスペシャリスト 元ラグビー日本代表 実業家

1981年10月17日生まれ。大阪府出身。5歳からラグビーを始め、北野高(大阪)、慶大を経て、東芝入り。07年日本代表初選出。主将も務め、キャップ数28。16年に現役引退後、ビジネス・ブレークスルー大学大学院で経営管理修士(MBA)取得。公式アンバサダーを務めた19年W杯は解説のほか、国歌を歌って各国をもてなす「Scrum Unison」、TBS系ドラマ「ノーサイド・ゲーム」出演など、幅広い活動で盛り上げた。現在は株式会社HiRAKU代表取締役。ラグビーにとどまらずスポーツの普及、教育、食、健康に重点を置いた様々なプロジェクトに取り組む。日本テレビ系「news zero」木曜パートナーとして出演中。

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