アイシングで怪我が悪化も? プロ野球トレーナーが指摘する「盲点」と適切な処置法」
野球人口の減少による球児への負担増大。球数制限の議論などが活発に行われるようになってきた今だからこそ、野球界は改めて選手の体と真剣に向き合う必要がある。夏真っ盛り。選手権大会は出場49校が出そろい、6日からは灼熱の甲子園で1回戦が始まる。投手にとっては連投を余儀なくされる場面も増え、より肘や肩のケアが大切になってくる。
保護者向け連載「球児の未来の身体を考える」第5回、アイシングの必要性について
野球人口の減少による球児への負担増大。球数制限の議論などが活発に行われるようになってきた今だからこそ、野球界は改めて選手の体と真剣に向き合う必要がある。夏真っ盛り。選手権大会は出場49校が出そろい、6日からは灼熱の甲子園で1回戦が始まる。投手にとっては連投を余儀なくされる場面も増え、より肘や肩のケアが大切になってくる。
プロ野球、セ・リーグで3連覇を成し遂げた広島東洋カープの石井雅也ヘッドトレーナーとともに、球児の体と真剣に向き合う「THE ANSWER」の連載「球児の未来の身体を考える」。第5回は「アイシングの意味と盲点」だ。
◇ ◇ ◇
今の時代、怪我をした時はもちろん、運動後や投球後にアイシングは当たり前のように行われています。炎症などを抑えるにはとても良い方法だと考えられています。プロ野球のテレビ中継などで投手が登板後にベンチでアイシングをしている場面をよく見かけることでしょう。
しかしながら、時代と共にアイシングに対しての考え方は徐々に変わってきています。実際のところ、プロ野球の一線級の投手でも登板後にアイシングをしない選手が増えてきています。もちろんメジャーリーグでもこの傾向があります。
なぜでしょうか。現場のトレーナーとして、その理由を3つ説明します。
・翌日の状態に明らかな違いがない、むしろアイシングしない方が状態が良い。
・アイシングで関節が固まったような感じがして効果を感じない。
・冷た過ぎて耐えられない。
など、明確にアイシングの効果を感じられない選手が徐々に増えています。研究論文を読んでも、アイシングの効果に“客観的な根拠が無い”などの説が出てきています。今回取り上げる問題として、成長期の選手にとってアイシングを行う際の注意点について述べてみたいと思います。