【W杯あの海外選手は今】02年日韓大会　イタリア代表FWフランチェスコ・トッティ

　サッカーのカタール・ワールドカップ（W杯）は連日熱戦が繰り広げられている。なかには「4年に一度のW杯だけは観ている」あるいは「昔はよく見ていたけど、最近は…」という人もいるだろう。そんなファン向けにかつてW杯に出場し、話題になった海外選手をプレーバック。懐かしい“あの人”の今をお届けする。今回は2002年日韓大会の韓国戦で不可解な退場処分を受けるも、続く06年ドイツ大会で優勝を果たしたイタリア代表FWフランチェスコ・トッティ。

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　生まれ育った地元ローマのクラブ一筋でキャリアをまっとうした「ワンクラブマン」であるフランチェスコ・トッティは、端正な顔立ちと華麗なプレースタイルで「ローマの王子」として多くのファンに愛された。2000-01シーズンには元日本代表MF中田英寿と共闘し、スクデットを獲得。25年に渡る現役生活でセリエAを制したのはこの1回のみだった。

　イタリア代表でも10番を背負い、02年の日韓W杯に25歳で初出場。しかし決勝トーナメント1回戦の韓国戦で不可解なシミュレーションの反則を取られ、退場となってしまう。この判定が影響し、イタリアはベスト16で敗退。もっともこの判定は後にFIFAが誤審と認定し、トッティにとっては不運な退場劇となった。

　06年のドイツ大会は怪我で出場が危ぶまれたものの、驚異的な回復を見せてメンバー入りを果たすと攻撃の起点として活躍。全試合に出場し、イタリアに24年ぶり4度目の優勝をもたらしている。

　25シーズンに渡ってローマでプレーしてきたトッティが現役を引退したのは17年7月のこと。当時、東京ヴェルディからの獲得オファーが届いていたが、これを固辞し、ローマのクラブディレクターに就任している。

　もっともその後、ジェームズ・パロッタ会長との不仲が表面化し、19年6月にディレクターを辞職。アカデミー時代を含め30年を過ごしたローマを離れることとなった。

　トッティには、スターならではの逸話がある。20年9月、交通事故で9か月間昏睡状態にあったトッティファンの19歳女性の耳元でトッティが吹き込んだ音声を流すと、昏睡状態から目を覚ましたという。後にトッティは病院を訪れ、その女性と対面したことが大きな話題となった。

　プライベートでは、05年にモデルのイラリー・ブラージさんと結婚。3人の子宝にも恵まれ、長男のクリスティアン・トッティは現在ローマのU-18に在籍し、将来を嘱望されているという。

　ただし近年は夫婦関係が悪化。お互いに不倫疑惑が持ち上がり、今年7月には別居を発表した。

　トッティは、父が新型コロナウイルス感染症で亡くなった時や、自身もコロナに苦しんでいた時などに、妻が必要なサポートをしてくれなかったと主張。またブラージさんがトッティのロレックスを盗んだ際には、仕返しにブラージさんの高級バッグを隠したことも認めている。さらに3500ポンド（約58万円）相当のブラージさんの靴を取ったとも報じられる始末だ。

　46歳となった今、もはや夫婦関係は修復不能となり、離婚調停に入っている。10月14日には第1回の法廷審問が行われ、近々ローマの裁判所で2回目が行われる予定だという。ローマ一筋のトッティだが、プライベートでは妻一筋とはならなかったようだ。