なぜNZは動じないのか 「観客をコントロールできる」“王者の哲学”とは
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は19日、準々決勝を迎え、東京スタジアムでは世界ランク1位ニュージーランドが同4位アイルランドを46-14で撃破。3連覇へ4強入りを決めた。26日の準決勝(横浜国際総合競技場)ではイングランドと対戦する。まるでアウェーのような状況での試合にも関わらず、オールブラックスが見せた強さに王者の強さを見た。
スタンドはアイルランドファンが圧倒的多数も
ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会は19日、準々決勝を迎え、東京スタジアムでは世界ランク1位ニュージーランドが同4位アイルランドを46-14で撃破。3連覇へ4強入りを決めた。26日の準決勝(横浜国際総合競技場)ではイングランドと対戦する。まるでアウェーのような状況での試合にも関わらず、オールブラックスが見せた強さに王者の強さを見た。
試合前の会場の盛り上がりは一種異様だった。国歌斉唱では、アイルランドのアンセム「Ireland’s Call(アイルランドの叫び)」を客席の半分ほどを埋めたファンが大合唱。ニュージーランドの恒例のウォークライは、限られた試合でしか行わない「カパ・オ・パンゴ」を披露したが、アイルランドファンも大きな歌声で、これに対抗。リード役の掛け声をかき消すような音量に会場はざわつき、騒然とした状態になった。
ファンの数ではアイルランドがニュージーランドを圧倒していた。日本での開催だが、完全にアイルランドのホームのような雰囲気が出来上がっていた。
アイルランドがボールを持てば歓声が上がり、ゴールに近づけば近づくほどその声は大きくなる。さぞ、ニュージーランドにはやりづらい環境かと思われたが……。スティーブ・ハンセン・ヘッドコーチ(HC)は一笑に付した。
「(アイルランドのファンは)世界中のどこにでも駆け付ける。キックオフの前にも歌を歌ってとても楽しんでいたね」と他人事のようだ。そして続けた。「とても大事なのは“ホーム”にすること。ニュージーランドのファンはアイルランドに比べると静かだから。ただ、正しい試合をすれば、観客をコントロールできる。ダブリン(アイルランドの首都)でやってもそう。それで解決する。選手たちもそれを実行できた」と事も無げに言ってのけた。