大橋会長がヌニェスを警戒「オーラが柔らかい」

　ボクシングのIBF世界スーパーフェザー級1位エドアルド・ヌニェス（メキシコ）が20日、同級3位・力石政法（大橋）との同級王座決定戦（28日・横浜BUNTAI）に向け、神奈川・横浜市内で練習を公開した。KO勝率100％の強者を、力石陣営が視察。オーラが伝説の王者に重なり、警戒感を強めた。興行はNTTドコモの映像配信サービス「Leminoプレミアム」で有料生配信される。

　実力者の雰囲気が漂っていた。ヌニェスはシャドー、棒ミットを使用した防御練習を披露。「最高の仕上がりだ」。サンドバック打ちでは鋭い音を響かせ、縄跳びでも汗を流した。約15分間の練習を終え、日本語で「ドウモ、アリガトウゴザイマシタ」とニッコリ。険しい表情から一変した。

　視察した力石陣営の大橋秀行会長は「雰囲気がリカルド・ロペスに近い。強そうな選手」と、ヌニェスと同じメキシコの元世界2階級制覇王者リカルド・ロペス氏を引き合いに出した。「オーラが柔らかくて空気感が似ていますね」。1990年に大橋会長が5回TKO負けでWBC世界ミニマム級王座を奪われた相手。51勝（38KO）1分で無敗を貫いた伝説的王者と姿が重なった。

　力石はヌニェスより9センチ高い身長177センチを誇るサウスポー。大橋会長は「いかにリーチ差を生かして行くか」と展望した。ヌニェスの動きを目で追い「器用な印象はありません。でも、ラフではなく、基本に忠実でシャープなボクシング。大振りせずにあれだけのKO率なので、相当怖さがあります」と注意点を挙げた。

「自分は負けてしまいましたが、力石には勝ってもらう。自分の失敗を肥やしにしてもらいたいです」。相手陣営と対面し「オォ、リカルド・ロペス」と声をかけられたという。「嬉しいんだか、悲しいんだか」。戦った相手も有名にするほど歴史的な名王者だった。

　世界初挑戦へ、ヌニェスは「タイトルを獲るのが夢。それを実現するとこまで来ている」と意気揚々と王座獲得を描いた。試合はセミファイナル。メインイベントでは、WBO世界バンタム級王者・武居由樹（大橋）が同級8位ユッタポン・トンデイ（タイ）との2度目の防衛戦に臨む。