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スポーツでよく聞くフィジカルトレーナーはどんな仕事? 第一線で活躍する2人が知る魅力とやりがい

アスリートやスポーツ愛好家、そしてボディメイクや健康維持の目標を持つ人たちまでをサポートするスポーツトレーナー。近年は一般の人々の健康志向の高まりにより、活躍の場も拡大。将来、トレーナーを目指す学生も増えている。「THE ANSWER」では様々な現場で活躍するトレーナーたちをフィーチャー。今回はトップアスリートに関わる二人のフィジカルトレーナーの対談を前後編で届ける。前編の今回は、フィジカルトレーナーとはどんな仕事なのかを、これまでの経験から現状、そして2024年のパリオリンピック・パラリンピックへの期待などを語ってもらった。(前後編の前編、聞き手=長島 恭子)

マラソン神野大地を指導する中野ジェームズ修一さん【写真:中戸川知世】
マラソン神野大地を指導する中野ジェームズ修一さん【写真:中戸川知世】

トップアスリートに関わるフィジカルトレーナー対談 前編

 アスリートやスポーツ愛好家、そしてボディメイクや健康維持の目標を持つ人たちまでをサポートするスポーツトレーナー。近年は一般の人々の健康志向の高まりにより、活躍の場も拡大。将来、トレーナーを目指す学生も増えている。「THE ANSWER」では様々な現場で活躍するトレーナーたちをフィーチャー。今回はトップアスリートに関わる二人のフィジカルトレーナーの対談を前後編で届ける。前編の今回は、フィジカルトレーナーとはどんな仕事なのかを、これまでの経験から現状、そして2024年のパリオリンピック・パラリンピックへの期待などを語ってもらった。(前後編の前編、聞き手=長島 恭子)

 ◇ ◇ ◇

――今回、スポーツの現場でのトレーナーの仕事について伺います。まずは、お二人のトレーナー歴と、どのようにしてトレーナーの仕事を始められたかを教えてください。

中野「私は初めて運動指導を行ったのは学生時代、18歳のときです。そこから数えると、キャリアは30年以上になります。最初はフィットネスクラブで働き、その後、アメリカのトレーナーの資格を取得。帰国後、パーソナルトレーナーを始めました。アスリートを見るようになったのはアメリカ時代からです」

泉「私はスポーツトレーナーになって約25年になります。学生時代、陸上をやっていたのですが、15歳のときに教師をやりながらオリンピックの強化スタッフをされている方がいると知りました。それをきっかけに『スポーツ選手のフィジカルトレーニング指導』や『健康づくりを通じた教育』を行う仕事を目指すようになりました」

――現在、仕事はどんな現場が多いのでしょうか?

泉「私はフィジカルトレーナー(S&Cコーチ、フィジカルコーチ)として、ナショナルチームやプロスポーツをみています。この十数年ほどで、ジュニアからシニアまで複数の競技を担当。今は2024年パリ五輪、2028年ロサンゼルス五輪世代に向けた強化指導や運動教育が中心です。その他にプロスポーツ育成機関や、ナショナルトレーニングセンター強化拠点の医・科学プロジェクトをサポートしています。ほか、地元の関西では街のスポーツ応援プロジェクトの教育アドバイザー、公共事業や大学と協力し小学生からの運動教育やオリパラの指導などを行っています」

中野「私もフィジカルトレーナーとして仕事をしていますが、泉さんと異なり、民間の法人格のトレーナーとして仕事を請け負っています。クライアントは、ビジネスパーソンや高齢者の方から、学生アスリート、トップアスリートまでと幅広い方だと思います。依頼を受けるトレーニングの目的も、健康管理、ダイエット、ボディメイク、スポーツパフォーマンスの向上など様々です」

――今、お二人からフィジカルトレーナーという言葉が出ましたが、一般的に浸透している『スポーツトレーナー』との違いは?

泉「フィジカルトレーナー(SC、S&Cコーチ、フィジカルコーチとも呼ぶ)は『スポーツトレーナー』という職業のなかの一つの職種です。一口にスポーツトレーナーといっても、専門分野、活動する場によって職種は幅広い。例えばアスリートに関わる主な職種としては、フィジカルトレーナーほか、コンディショニングトレーナー、アスレティックトレーナー、メディカルトレーナーなどがあります」

中野「わかりやすく説明するならば、スポーツの現場に関わるトレーナーは、大きく二つに分けられると思いますよ」

――二つとは?

中野「一つは『マイナスの状態からゼロにする』仕事。こちらは故障から復帰までを支えるリハビリテーションの領域や、日々の健康管理、ケアなど、体を回復させることが主な仕事になります。医療従事者である『メディカルトレーナー』や、ケガの救急対応やテーピング、マッサージ、鍼灸などを行う『アスレティックトレーナー』『コンディショニングトレーナー』はこちらにあたります。

 もう一つは選手を『ゼロの状態からプラスにする』仕事。体力の向上やフィジカルの強化など身体能力を上げることが主な仕事で、こちらが泉さんや私のような『フィジカルトレーナー』の仕事です。競技スポーツでは勝つために、技術、戦術が重要です。戦術を機能させ、かつ技術の精度を落とさないための土台がフィジカル。私たちはその土台作りを行います」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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