有望選手は高2で進学先内定 米国の「大学リクルート事情」、マッチングサイトも登場
「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回のテーマは「米国のリクルート事情」について。日本では競技力に秀でた高校生は早期にスポーツ推薦で進学先が決まることもあるが、大学スポーツが盛んな米国の実情とは――。
連載「Sports From USA」―大学スポーツが盛んな米国のリクルートの実情とは
「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回のテーマは「米国のリクルート事情」について。日本では競技力に秀でた高校生は早期にスポーツ推薦で進学先が決まることもあるが、大学スポーツが盛んな米国の実情とは――。
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ここ数年、渡邊雄太や八村塁が米国の大学からNBA入りしたことで、日本でも全米大学体育協会NCAAの名前を見聞きする機会が増えたのではないだろうか。
NCAAは日本では1部と表現されるディビジョン1から、3部のディビジョン3までで構成されている。NCAAはたとえ3部であっても、誰もがプレーできるところではない。例えば、高校のバスケットボール部員のうち、NCAA1部でプレーできるのは約1%。3部まで合わせても3.4%だ。高校アメリカンフットボール部員でNCAA1部でプレーできるのは約2.8%、3部まで合わせて7.1%である。過去の連載でもお伝えしたが、米国は高校の運動部に入るにもトライアウトがある。このトライアウトをパスした高校生の上位数パーセントしかNCAAではプレーできないということだ。
全米屈指の高校生スター選手であれば、どの大学のスカウトの目にも留まる。また、NCAAの各大学には地域スカウトがいる。高校の試合を見てまわり、優れた才能を持つ選手の存在を大学に報告している。(フルタイムではなく、昼間は他の仕事をしながら、高校生が試合をする夕方や夜の時間帯に副業としてスカウトしている人が多いようだ)
高校生のなかでも抜きん出た選手ならば、大学からどんどんオファーが届く。NCAAの定めた公式な大学訪問期間には、大学側から旅費宿泊費を全額負担してもらい、どの大学の競技環境が適しているかを見てまわる。トップクラスの選手ならば、日本の高校2年生(11年生)で、どこの大学に進学するかが内定していることも珍しくない。