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連覇&2冠の富士通に漂う常勝軍団の風格 「良い」と「素晴らしい」の差を生んだ主体性【女子バスケ】

バスケットボール女子Wリーグの頂点を決めるプレーオフ・ファイナル第5戦が14日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで行われ、レギュラーシーズン首位の富士通が同2位のデンソーに75-60で勝利し、4チーム目となる2連覇を果たした。昨年12月に制した皇后杯との2冠を達成。勝ち方を知り、選手全員が主体となってさらなる成長を遂げた女王は、新たな常勝チームの誕生を感じさせた。

連覇&2冠を達成し歓喜する富士通【写真提供:Wリーグ】
連覇&2冠を達成し歓喜する富士通【写真提供:Wリーグ】

「京王電鉄 Presents Wリーグプレーオフ 2024-2025」ファイナル

 バスケットボール女子Wリーグの頂点を決めるプレーオフ・ファイナル第5戦が14日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザで行われ、レギュラーシーズン首位の富士通が同2位のデンソーに75-60で勝利し、4チーム目となる2連覇を果たした。昨年12月に制した皇后杯との2冠を達成。勝ち方を知り、選手全員が主体となってさらなる成長を遂げた女王は、新たな常勝チームの誕生を感じさせた。

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 5戦、計200分の激闘の末に、連覇を告げるブザーが鳴った。笑顔や涙、様々な表情を浮かべて抱き合う女王たち。富士通のBTテーブス監督は場内インタビューに選手全員を招き、「このチームは僕の宝物です」とファンの前で称えた。怪我でレギュラーシーズン欠場が続いた林咲希は「くじけそうになった時にみんなで助け合えた。本当に素敵なチーム」と仲間に感謝。溢れる想いに目が滲んだ。

 8季ぶりに3戦先勝方式となったファイナル。疲労が溜まった体に鞭を打ち、最後まで全員がボールを追いかけた。意識し続けたリバウンドは相手を21も上回る49本を記録。ワンプレーごとに各自が自分の役割を考え、5人で連係してデンソーの攻撃を封じた。指揮官は「ディフェンスの勝利」と称賛。両軍最多23得点の赤木里帆は「リバウンド、ルーズボールが鍵だった」と粘り強さを勝因に挙げた。

 ENEOSで5連覇した主将の宮澤夕貴が2021年に加入。昨季まで16年間優勝から遠ざかっていた富士通に常勝チームのマインドを持ち込んだ。飲み物の片付けなど、コート外の意識にまで小言を繰り返したのも今は昔。「もうチームが勝ち方をわかっているし、全体として何をやればいいかわかっている。私1人だけじゃなく全員で作り上げて、本当にいいチームになった」と仲間の成長に胸を張った。

 宮澤、司令塔の町田瑠唯、日本代表の主将も務めた林など「うちにはスタイルが違うリーダーがたくさんいる。一番強いのは選手たちがリーダーシップを執れるチーム」と指揮官。「良いチーム」と「素晴らしいチーム」を分けるのは「コーチではなく選手が責任を取る」ことができるかどうかだと強調する。全員が主体性を持ち、連覇と2冠を達成した女王は、新たな常勝軍団の風格を漂わせていた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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