スポーツを地域連携と社会課題解決のツールに…「オール青山スポーツコミュニティ」が目指すこと
東京・渋谷で歴史を紡いできた青山学院が、スポーツを通じた地域社会との連携、社会課題の解決を目指し、活動している。2022年から始まった中学部、高等部、大学の教職員らを発起人とするボトムアッププロジェクトで「オール青山スポーツコミュニティ」と名付けられた。青山キャンパスと相模原キャンパスで子どもから高齢者まで幅広い層の人々が参加できるイベントやクラスを実施し、地域住民との交流を生み出している。
青山学院大・宮崎純一教授とラグビー元日本代表主将・菊谷崇氏が対談
東京・渋谷で歴史を紡いできた青山学院が、スポーツを通じた地域社会との連携、社会課題の解決を目指し、活動している。2022年から始まった中学部、高等部、大学の教職員らを発起人とするボトムアッププロジェクトで「オール青山スポーツコミュニティ」と名付けられた。青山キャンパスと相模原キャンパスで子どもから高齢者まで幅広い層の人々が参加できるイベントやクラスを実施し、地域住民との交流を生み出している。
この活動を牽引する一人が、青山学院大学経営学部マーケティング学科の宮崎純一教授だ。体育会サッカー部で監督・部長を歴任し、2017年にはユニバーシアード台北大会で男子日本代表監督を務めた。宮崎教授が築いたネットワークを生かし、これまでサッカーに関連する企画を中心に展開してきたが、今年5月から新たに小中学生を対象としたラグビークリニックがスタート。運営を担当するのは、(株)ブリングアップアスレチックソサエティー代表で元ラグビー日本代表主将の菊谷崇氏だ。
社会のデジタル化が進み、人と人との直接的な繋がりが希薄になっていると言われる中、最近のスポーツ界で重要視されているのが「地域密着」というキーワード。スポーツは社会や地域にどのような価値をもたらすことができるのか、宮崎教授と菊谷氏が語り合った。
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宮崎「青山キャンパスには幼稚園から大学院までありますが、そこに通う人たちは通り過ぎたりすれ違ったりしても、なかなか一堂に会することがない。一方で『青山学院』というコミュニティの中でまとまってしまう傾向もあると感じていました。渋谷という場所柄、地域には外国人の方も数多くいらっしゃるし、外資系の会社もたくさんある。もっと言えば、LGBTQの方々が集まる文化がある街でもある。『オール青山スポーツコミュニティ』はそういうダイバーシティ社会でもある地域と繋がるツールの一つとして『スポーツ』を使ってみるのがいいのでは? というところから始まった活動なんです。社会が持つ課題を解決したり、地域との連携・貢献を図ったり、大学が持つ資源を社会や地域のために使いましょう、と」
菊谷「地域社会と繋がろうという考えは最近出てきたものなんですか?」
宮崎「学校を卒業し、社会に出れば様々な人たちと繋がる環境に置かれる。そうであれば、青山学院にいる間に地域コミュニティの人たちとコミュニケーションが取れたり、繋がれたりするようになった方がいいんじゃないか。そういう考え方になったのは、ここ3、4年のことだと思います」