欧州代表コーチが日本語ペラペラの理由は「宇多田ヒカル」 社会人野球を経験、今なら分かる「嫌いだった」猛練習の意味
侍ジャパン戦後は広島を訪問予定「お好み焼き食べます」
日本の練習は「しんどかったです。嫌いだった」と笑うが、「年を取って、どんな目的があったのか分かってきました」と頷く。日本で学んだことの1つは「量」の大切さ。「質」を確保することを前提としつつ、無意識に体が動くようになるまで練習量をこなす重要性を知った。
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帰国後はヤクルト野球アカデミーで選手とコーチを兼業。ブラジル代表も経験した。2005年まで同アカデミーで働いた後、もう1つの国籍であるイタリアからも代表招集を受けた。10年ほど欧州で過ごした後、一度ブラジルに帰国。結婚して子どもが生まれ、2019年には再び欧州のオーストリアへ。現在も同国1部リーグのダイビング・ダックスで監督を務めている。
日本野球の経験を指導に生かし、創設から35年間優勝がなかったチームを就任1年目で王座に導いた。2年目もプレーオフに進出すると、3年目の昨季は再び王者に。その手腕を買われ、欧州代表コーチの仕事が舞い込んだ。久々に日本に戻れるとあって、「行きます! 行きます! もちろん、100%です!」と喜んで手を挙げた。
「日本はセカンドホーム。思い出はたくさんあります。帰ってきて感情的になりました」。あれから22年の時が経つが、「全然変わってないですね。びっくりしませんでした」。記憶の中にある日本はそのままだ。
侍ジャパンとの2試合を終えたら、思い出の地・広島を訪れ、友人に会う予定。「そこではもちろんお好み焼きを食べます。この間は焼肉を食べて、今日はラーメン。梅干しも食べました。納豆はまだ。納豆も食べたいです」。22年ぶりの日本。心から楽しむためにも、まずは侍と全力でぶつかり、勝利を目指す。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)