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コロナ禍で再認識したスポーツの力 ブレイキン界のエースがメディア出演する理由

2024年のパリオリンピックから新競技として加わるブレイキン。ブレイクダンスという名前でも親しまれる競技について、どんな印象を持っているだろうか。MCによる軽快なマイクパフォーマンス、DJが流すブレイクビートの利いたヒップホップ調の音楽に合わせ、即興で次々とアクロバティックなムーブを繰り出すダンサーたち。スポットライトの当たるステージで、自由に個性を発揮しながら踊る光景は、華やか、かつ煌びやかに映るのではないだろうか。

ブレイキンの世界で小学生の頃から世界を駆け巡り、50以上の大会で優勝を飾ってきた半井重幸【写真:荒川祐史】
ブレイキンの世界で小学生の頃から世界を駆け巡り、50以上の大会で優勝を飾ってきた半井重幸【写真:荒川祐史】

「今では有難い」という厳しい教育が育んだ実直な人柄

 2024年のパリオリンピックから新競技として加わるブレイキン。ブレイクダンスという名前でも親しまれる競技について、どんな印象を持っているだろうか。MCによる軽快なマイクパフォーマンス、DJが流すブレイクビートの利いたヒップホップ調の音楽に合わせ、即興で次々とアクロバティックなムーブを繰り出すダンサーたち。スポットライトの当たるステージで、自由に個性を発揮しながら踊る光景は、華やか、かつ煌びやかに映るのではないだろうか。

【前編】幼少期から養われた“世界を見る目” パリ期待の星を支える家族の絆 / ブレイキン 半井重幸選手インタビュー(GROWINGへ)

【後編】真剣さが生む悔しい気持ち「俺、まだブレイキンがむっちゃ好きやな」 / ブレイキン 半井重幸選手インタビュー(GROWINGへ)

 そんなブレイキンの世界で小学生の頃から世界を駆け巡り、50以上の大会で優勝を飾ってきたのが、BBOY・Shigekix(シゲキックス)こと半井重幸選手だ。今年21歳のプロダンサーは全日本選手権を3連覇中で、2022年の世界選手権では銀メダル。WDSF(世界ダンススポーツ連盟)が定める世界ランキング2位の実力を誇り(9月29日現在)、パリオリンピックでの初代金メダリストの有力候補にも数えられる。

アクロバティックなダンスの途中で、動きをピタリと静止させるフリーズを得意とする【写真:荒川祐史】
アクロバティックなダンスの途中で、動きをピタリと静止させるフリーズを得意とする【写真:荒川祐史】

 会場でランダムに掛かる音楽を全身で感じ取り、リズムやブレイクと一体感のある独創的なムーブを披露。人間業とは思えない大胆でアクロバティックなダンスの途中で、動きをピタリと静止させるフリーズを得意とする。ステージで踊る姿は大きな自信に満ちあふれているが、普段は人懐こい笑顔が魅力の礼儀正しく実直な青年。踊ることが大好きで、ブレイキンと真摯に向き合う毎日を心の底から楽しんでいる様子が、言葉の端々から伝わってくる。

 同じくパリオリンピック出場を目指す姉・彩弥(AYANE)の影響を受け、ブレイキンを始めたのが7歳の頃。関西ストリートダンスの聖地とも呼ばれる大阪シティエアターミナルのポンテ広場で、姉弟揃って大人たちの中で腕を磨いた。練習時間は夜9時から12時。小学生には遅い時間だが、技を習得する喜びがたまらずダンスに没頭。「両親にお願いして連れていってもらって、保護者として見守ってもらいながら、大人の空間にお邪魔している感じで楽しかったのを覚えています」。365日休むことなくポンテ広場に通い続け、学校に通う昼間も「その日の練習をモチベーションに過ごしていました」と笑う。

 朝起きて学校へ行き、放課後は英語や水泳など習い事に通った。食事をとって宿題を済ませると仮眠の時間。練習へ向かう車中も睡眠にあてるという、かなりハードなスケジュールを送った。両親は「好きという気持ちを尊重してくれる」存在であると同時に、小学生として「当たり前ではないことをしている分、やるべきことは人一倍やりなさい」という教育方針。「今では有難いと思う」という厳しい一面があったからこそ、日本を代表するダンサーになった今も浮かれることなく、地に足のついた人物に育ったのだろう。

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