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引退もよぎった高木美帆の「自分を超える」戦い W杯初陣、全4レース表彰台に見た決意

スピードスケート・ワールドカップ(W杯)の今季開幕戦が11月11日から13日までノルウェー・スタヴァンゲルで行われ、今年2月の北京五輪で金メダル1個、銀メダル3個を獲得した高木美帆(日体大職)が、3日間に出た4レースすべてで表彰台に上がった。

全日本距離別選手権で3種目制覇の高木美帆。W杯初戦でも全レース表彰台に立った【写真:荒川祐史】
全日本距離別選手権で3種目制覇の高木美帆。W杯初戦でも全レース表彰台に立った【写真:荒川祐史】

今季W杯初戦の1500mで優勝、その他3種目も表彰台の好スタート

 スピードスケート・ワールドカップ(W杯)の今季開幕戦が11月11日から13日までノルウェー・スタヴァンゲルで行われ、今年2月の北京五輪で金メダル1個、銀メダル3個を獲得した高木美帆(日体大職)が、3日間に出た4レースすべてで表彰台に上がった。

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 今季はナショナルチーム時代の恩師であるヨハン・デビット氏を個人コーチに招き、「チーム美帆」として活動を開始。新たな道で「過去の自分より速い自分」を目指している高木が、シーズン開幕戦で好スタートを切った。

 初日からさすがの強さを見せた。この日、出場した種目は、北京五輪でサプライズとも言える銀メダルを獲得した女子500メートル。オランダ選手と同走した高木は、最初の100メートルを全体の5番目となる10秒59で通過すると、スピードに乗った滑りのまま38秒17でゴールを駆け抜け、3位になった。

 意外かもしれないが、高木が女子500メートルでW杯表彰台に上がるのは初めてのこと。北京五輪の銀メダルがフロックではなく、ここ数年、鍛えてきたスプリント力が確実に上がっていることを示した形だ。また、北京五輪金メダリストのエリン・ジャクソン(米国)が8位と振るわなかったのに対し、高いモチベーションを維持していることも明らかだった。

 2日目は世界記録を持つ女子1500メートルで貫禄を見せた。高木は最初の300メートルを全体の5番目のタイムで通過すると、周回を重ねてもラップを落とさない安定感抜群の滑りを続け、700メートルから1100メートルは全体でただ1人となる29秒台。上がり1周も全体トップの31秒6でまとめ、1分56秒55で制した。2位に0秒94差をつける完勝で、W杯通算14勝目。それでもタイムには満足していないような様子が、「最速のオールラウンダー」を目指す高木らしさである。

 そして、1500メートルの約2時間後には女子チームパシュートのレースにも出た。日体大の学生だった2015年の世界選手権で、初めて金メダルを獲った思い入れのある種目だ。今季はチームメートとして、ともに18年平昌五輪を制した姉の菜那が引退。今回は16年からチームを組んでいる佐藤綾乃(ANA)、今春社会人になった19歳の堀川桃香(富士急)と3人で滑り、カナダ、オランダに続く3位になった。

 新メンバーになったばかりのチームパシュートは、今後まだまだブラッシュアップしていける種目と言える。高木は公式戦のレースを、改善点を見出して今後につなげていくための貴重な場と捉えており、このレースでも多くの発見があったに違いない。

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