[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

指導者が“分かった気”になったら終わり 名将の言葉に感じた「アップデート」の重要性

執着しなかったからこそ見抜いたブスケッツの才能

 事実、クロッサスはトップチームに定着できなかった。

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 そして当時、猫背で大柄な体を持て余すようにパスを出していたセルヒオ・ブスケッツが抜擢され、飛躍していったのである。ブスケッツは、ボールをどのように受け、どのように弾くか、それを瞬時に判断し、高い精度でこなすことができた。グアルディオラにないディフェンス面の強さ、高さもあった。

 グアルディオラが自分の記憶に執着していなかったからこそ、不器用そうに見えたブスケッツの才能を見抜けたのだ。

 育成年代における指導者が、成功体験を自信にするのは当然だろう。ただ、それに浸っている指導者はそれ以上、前に進めない。

「選手が指導者の答えを持っている」

 それは欧州で取材していると、多くの指導者が口にすることである。

(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)

1 2 3

小宮 良之

1972年生まれ。大学卒業後にスペインのバルセロナに渡り、スポーツライターに。トリノ五輪、ドイツW杯を現地取材後、2006年から日本に拠点を移す。アスリートと心を通わすインタビューに定評があり、『導かれし者』(角川文庫)、『アンチ・ドロップアウト』(集英社)など多くの著書がある。2018年に『ラストシュート 絆を忘れない』(角川文庫)で小説家としてもデビュー。少年少女の熱い生き方を描き、重松清氏の賞賛を受けた。2020年12月には『氷上のフェニックス』(角川文庫)を上梓。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集