指導者が“分かった気”になったら終わり 名将の言葉に感じた「アップデート」の重要性
執着しなかったからこそ見抜いたブスケッツの才能
事実、クロッサスはトップチームに定着できなかった。
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そして当時、猫背で大柄な体を持て余すようにパスを出していたセルヒオ・ブスケッツが抜擢され、飛躍していったのである。ブスケッツは、ボールをどのように受け、どのように弾くか、それを瞬時に判断し、高い精度でこなすことができた。グアルディオラにないディフェンス面の強さ、高さもあった。
グアルディオラが自分の記憶に執着していなかったからこそ、不器用そうに見えたブスケッツの才能を見抜けたのだ。
育成年代における指導者が、成功体験を自信にするのは当然だろう。ただ、それに浸っている指導者はそれ以上、前に進めない。
「選手が指導者の答えを持っている」
それは欧州で取材していると、多くの指導者が口にすることである。
(小宮 良之 / Yoshiyuki Komiya)