隔離終了した米紙記者が語る日本の交通機関「世界一と噂を聞いたけど…感動の連続です」
隔離終了で取材は全くの別物に「ようやく真の五輪取材がスタートした」
街や駅の案内表示には英語表記も添えられているので、迷子になる心配もありません。来日経験のある友人に地下鉄は複雑だから気を付けるように言われてきましたが、事前にもらった地下鉄の路線図があれば大丈夫。あのクオリティの高さにはビックリしました。乗り換えがしやすいように、何号車に乗ればいいかというアドバイスまで書いてあるなんて! 地下鉄はメディアバスより全然空いていますし、海外メディアより日本の皆さんの方がしっかりマスクを着用しているので、感染リスクに対して感じるストレスも減りました。
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地下鉄に乗るようになった利点の1つは、ようやく東京の街の雰囲気を肌で感じられるようになったことです。いわゆる“バブル”の中では、街の実際の声はなかなか伝わってきません。日本人メディアと交流することもありますが、彼らを一般市民の代表と見ることはできません。五輪期間中、東京の街は実際どういう状況なのか、日本の皆さんはどう受け止めているのか、とても気になるところでした。
外苑前駅から新国立競技場へ歩く途中に、五輪モニュメントがあります。週末にはたくさんの人が記念撮影をしていましたし、公式グッズショップも賑わっていました。東京は緊急事態宣言下ではありますが、やはり日本の皆さんは五輪開催を楽しみにしていたんだと感じました。
“バブル”の外に出て、東京に住む人々の日常生活に足を踏み入れたことで、コロナ禍がなければどんな五輪になっていたのか、その一端が垣間見られたように思います。きっと日本の皆さんは世界各地からやってきた選手や関係者を温かく迎え入れ、日本代表選手に心から盛大な応援を送り、東京の街は大いに盛り上がったことでしょう。長い間をかけて準備を進めてきた日本の皆さんが心ゆくまま応援できない現実は、ただただ残念に思います。
これまで伝わってこなかった街の熱気や盛り上がりを感じられたことで、私にとっての五輪取材は全く別物になりました。当然のことではありますが、やはり取材は自分の目で見て、肌で感じることが基本。すでに日程は半分をすぎましたが、ようやく真の五輪取材がスタートした気がします。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)