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遊び感覚で養う瞬時の判断力 元バスケ日本代表が福島の子どもたちに授けたコツ

子どもたちを指導する渡邉氏【写真:編集部】
子どもたちを指導する渡邉氏【写真:編集部】

頭をフル回転させる三目並べで養う、試合で必要な瞬時の判断力

 まずは、両手にボールを持ったドリブル練習からスタート。両手でボールをコントロールするだけでも至難の業だが、それぞれの手でバウンドの高さを変えたドリブルをしたり、両手でドリブルしながら片足でケンケンしながら前進したり。渡邉氏から課された様々なタスクに頭を悩ませながらも、懸命にトライしながら、成功の糸口を見つける姿がそこにはあった。

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 子どもたちが大いに盛り上がったのが、マーカーとコーンを使った三目並べゲームだ。3×3で9つ置かれたマーカーの上に、男子チーム、女子チームがリレー方式でそれぞれ色違いのコーンを並べ、先に3つ並べた方が勝利するというゲーム。コーンを持った最初の3人で決着がつかなかった場合、4人目以降はすでに置かれたコーンの位置を変えて3つ並べることを目指す。この時ポイントとなるのが、自分たちのコーンを早く3つ並べること、そして相手が3つ並べるのを阻止することだ。

 当初、味方のコーンを3つ並べることだけを意識していた子どもたちだが、次第に相手の動きを阻止することも有効だと気付き、最終的には相手の動きを阻止しながら味方に有利な位置にコーンを置くまでに“成長”。さらに、リレーのバトン代わりにドリブルしたボールを繋ぎながらも、的確に場所を見極めてコーンを動かせるようになっていった。どこにパスを出せば仲間に通りやすいのか、どの位置に切り込めばシュートが打ちやすいのか。つまりこの遊び感覚のゲームを通じて、バスケットボールの試合中に必要となる「瞬時に最良の決断を下せる能力」を楽しみながら身につけられるというわけだ。

 その他、攻守交代のタイミングで最後にボールを持っていた人以外のメンバーが毎回入れ替わるミニゲームなどを実施。最後は、参加者を3チームに分け、1分半で組み合わせを変えながら行った4対4のミニゲームでは、遠隔指導に参加した子どもたち12人の動きに渡邉氏が目を光らせた。「しっかりスタンスを取れているか」「視線をしっかり上げているか」「左右差がなくできているか」「リズム良くできているか」「試合をイメージしているか」の5項目について5段階評価をつけ、修了証と一緒に渡される評価シートに書き込んだ。

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