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「女子、高3、集団競技」にうつの割合高く 高校生アスリートの健康にコロナの影響は?

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回のテーマは「新型コロナウイルスとメンタルヘルス」。

今回のテーマは「新型コロナウイルスとメンタルヘルス」(写真はイメージです)
今回のテーマは「新型コロナウイルスとメンタルヘルス」(写真はイメージです)

連載「Sports From USA」―今回は「新型コロナウイルスとメンタルヘルス」

「THE ANSWER」がお届けする、在米スポーツジャーナリスト・谷口輝世子氏の連載「Sports From USA」。米国ならではのスポーツ文化を紹介し、日本のスポーツの未来を考える上で新たな視点を探る。今回のテーマは「新型コロナウイルスとメンタルヘルス」。

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 新型コロナウイルスは、多くの人にさまざまな影響を及ぼしている。全く影響を受けていない人は稀だろう。感染するのではないかという不安、経済的な不安、これから先のことがよくわからないので心配になることもある。一方では、通勤の負担が減ってメリットがあると感じている人もいるだろう。

 それはアスリートも同じだ。トレーニングの場所や機会が制限され、試合開催のめどが立たないなど、ネガティブな影響を受けた。

 米国でも、州によって違いはあるが、感染防止のために、この1年間で何度かにわたって外出が制限され、学校運動部や子どものスポーツ活動も中止になった。運動部や子どものスポーツの中断に多くの人が落胆し、不満を感じた。もしかしたら、これまでの忙しさに、ほっとしている子どもや親もいるのではないか、と私は春先に書いたが。

 実際にはどうだったのか。スポーツをする子どもの年代によっても違うだろうが、高校生年代の運動部らのアスリートについての調査が行われているので見てみよう。昨年5月に、ウィスコンシン大のグループがソーシャルメディアで募集した3243人(うち女子が58%)を対象にしたもので、新型コロナウイルスパンデミック時に起こった健康状態(メンタルヘルス、身体活動、生活の質)の変化を明らかにするためにアンケートをとった。そして、過去に行った同様の調査と比較した。

 これによると、軽度も含めておよそ68%がうつ症状を報告しており、身体活動はパンデミック前と比べて50%程度低く、生活の質のスコアでも、過去の思春期年代の子どもについての調査よりも低かったという。

 この結果が発表された直後の昨年7月、研究に関わったウィスコンシン大学医学部公衆衛生学科精神医学のクラウディア・リアドン准教授は、UWヘルスホームページで次のように話している。「我々は運動や身体活動がパワフルな抗うつ剤や抗不安剤であることを知っています。公衆衛生の専門家や学校の管理者は、学校閉鎖やスポーツの中止がもたらす利点とリスクの両方を熟慮して、検討することを強く推奨します」。

 ウィスコンシン州だけでなく、対象を全米の約1万3000人に広げた調査結果も報告されている。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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