【#キミとONETEAM】 「“苦手”と向き合ってみよう。新しい世界が広がるかも」―元日本代表・真壁伸弥
新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。
子どもたちともう一度「ONE TEAM」に―「ラグビー選手から午前9時のメッセージ」第21回
新型コロナウイルスの感染拡大により、昨秋のワールドカップ(W杯)で空前のブームが巻き起こったラグビー界も大きな影響を受けた。1月に開幕したトップリーグがシーズン途中で中止。1試合の観客最多動員を記録する試合も生まれるなど、W杯から続いていた盛り上がりが予期せぬ形で途絶えてしまった。
【注目】現役、OB、指導者ら豪華メンバーが連日登場 ラグビー連載「#キミとONETEAM」全一覧はこちらから
もっとプレーを見せたかった選手、プレーを見たかった子どもたち。距離が遠くなってしまったいま、「THE ANSWER」はラグビー界がもう一度、子どもたちと一つになれることを願って、「#キミとONE TEAM」と題した連載をお届けしている。
元日本代表主将の菊谷崇さんと廣瀬俊朗さんが発起人となり、多くの現役、OB、指導者らが賛同。いま抱えている思いとともに、全国の子どもたちに向けたメッセージを送る。また、記事は連日午前9時に配信。「#きょうのトライ」として、学校が休校となっている子どもたちにきょう1日を使い、やってほしいことを提案する。
第21回は、元日本代表LO真壁伸弥さんだ。2015年のW杯で南アフリカを破る“ブライトンの奇跡”を経験。トップリーグでもサントリーのトップリーグ、日本選手権の優勝に貢献。昨年11月に32歳で現役を引退した男が今、伝えたいメッセージとは――。
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今、何ができるのか。これに対する答えは、考え方ひとつで変わってきます。何もできないなと思ってしまったら、本当に何もできません。こういった状況の中で何をどう楽しめるのか。普段とは少し考え方を変えてみるのもいいかもしれません。僕も今だからこそ、何かできることはないかなと常に模索しています。最近はファスティング(断食)にもチャレンジしてみました。今はなかなか運動もできないですし、いい機会だと思っています。
子どもの頃の記憶を今たどってみると、凄く時間があったなと思います。僕も色々な競技に手を出しましたが、それが結果的には良かった。サッカーや野球、ボクシングもやりました。そんな中でラグビーにたどり着いたのは、ラグビーが一番難しかったからです。子どもながらに“難しさ”というものに魅力を感じたんですね。だからもっとうまくなりたいと思って、ここまでやってきました。
コロナの影響で子どもたちは学校にも行けず、友達と遊ぶこともできません。だからと言って落ち込んでただ時間を過ごすのではなく、色々なことに興味をもって、色々なことに手を出してみて欲しいと思います。自分の知らない世界はたくさんあります。
反対にしっかりと考える時間を作るのもいいと思います。ガムシャラにやれるときはそれでいいと思いますが、今は自分の“弱点”と向き合ってみてください。勉強でもスポーツでも、なぜこれができて、これができないのか、自分の中で整理してみる。1日のうちの少しでもいいので、考える時間を作ってみましょう。
親でもいいし、友達でもいい。部活に入ってる子だったらチームメートや先輩たち、身近な人と積極的に会話して、自分の事を聞いてみるといいかもしれません。自分が目指す場所に到達するためには、実際にその場所にいる人に聞くのがいいと思います。
実は僕自身は子どもの頃はオタクでした。周りとうまくコミュニケーションを取らなかった。自分の世界を楽しむようなタイプでした。でも今考えるともったいないことをしたなと思います。大人になってから、多くの人と触れ合うことで視野が広がりましたから。
もしかしたら周りに聞ける人がいないかもしれない。でも今はトッププレーヤーとSNSでコミュニケーションを取ることができる時代です。僕もSNSに質問がくれば、なるべく返すようにしています。これはほかの選手もどんどんやって欲しいなと。家にいても人と繋がることができる。僕らにはなかった文化で、いい時代だなと思います。