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【今、伝えたいこと】プロ野球から介護業界へ 集団感染リスクと闘う江草仁貴「社会的受け皿なくせない」

指導する教え子からの色紙(江草仁貴氏のインスタグラムより)
指導する教え子からの色紙(江草仁貴氏のインスタグラムより)

大学3年で辞めようと思った野球、最後まで頑張った先に拓けたプロへの道

 もう一つ、思いを馳せる場所がある。それがコーチを務める大阪電気通信大学硬式野球部だ。活動は自粛となり、部員はそれぞれ自宅でトレーニングを積んでいる。その中でも最上級生となる新4年生の心中は察するに余りある。

「大学最後の年で、今まで頑張ってきた集大成として試合ができるのかできないのか、不安に思っていると思います。その他にも、こんな状況では就職活動も大変で、ナーバスになっているはず。彼らには『今まで本当に一生懸命頑張ってきたんだから、あとは祈るだけ、試合ができると信じよう』と伝えています」

 阪神、西武、広島で過ごした15年のプロ生活の中では、幾度となく苦しい時を乗り越えてきた。「つらい時間はあっても、いつか終わりは来る」と信じて、その先の未来を思い描きながら、今できることに集中し、手を抜かずにやり遂げたという。それというのも、専修大3年の時、本気で野球を辞めようと考えた経験があるからだ。

「一度もベンチに入れず、全体練習にもまともに参加できず、掃除当番や雑用ばかりさせられていました。『こんなことを続けていて意味があるのか、もう限界だな。野球を辞めた方がいいのかな』と本気で悩んだこともありました。でも、辞めるのは簡単だし、大学は4年までと決まっている。なので『いつか試合に出てやる。最後まで絶対にやり遂げる』と諦めずに続けたら、4年の時にプロへの道が拓けました」

 この時に味わった達成感、諦めないことの大切さを知るからこそ、野球部の部員には「頑張った先にはご褒美が待っている」ということを伝えている。

「今、教えている野球部は野球エリートはいません。高校であまり試合に出られなかった子たちが、野球をもう少しやりたいと思って活動しているチーム。だから、プロ野球選手になりたい子はほとんどいないんですよ。その中でどう目標設定をして導くかとなると、やっぱり社会に出てから役立つことを伝えたいですね。野球はチームスポーツなので、みんなで目標に向かう楽しさであったり、協力することの大切さであったり。1人だと限界があっても、みんなでやると何倍も何十倍も達成感を得られる。そうやって部活で頑張れる子は社会にでも頑張れると思うので、目標に向かって頑張ることの大切さを伝えていきたいと思っています」

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