1年前はモップ係で見たコート 桑名工が立った夢の全国で「諦めなかった60分間」
昨年の三重インターハイは誘導員、モップ係で参加「意識が変わりました」
地元三重県で開催された昨年のインターハイは、県予選で3位に終わり大会への出場は叶わなかったが、駐車場の誘導やモップ係を務めるなどスタッフとして参加した。「全国大会を身近で見られて、あの選手のプレーはこうだったとか会話から変わってきた。全国という場に現実味が出てきたというか、意識が変わりました」。選手の目線が高くなったことが、全国初出場につながった。
インターハイ出場が決まって以降は、洛北、関東第一など全国出場校との練習試合を重ねてきた。「正直、ほとんど勝てませんでしたが、それでも諦めずにやってきたことが、今日の60分戦えた姿につながったと思います」。長谷川監督は全国のレベルに挑戦し続けたことが、次のチーム力になると強調する。「この悔しさは下級生たちが引き継いで頑張ってくれると思います。僕たちが強くなることで三重県のレベルが上がってくる。2年後には三重国体があるので、県内の高校と切磋琢磨しながら、少年のレベルアップに貢献していきたい」。
試合後のミーティングで号泣していた横田。「創部初の全国大会で、歴史を作れてうれしかったんですけど、一つ勝ててたら、さらに歴史を変えられたので、そこは悔しいですね。まだ国体が残っているので、しっかり予選を勝ち抜けるよう、サイドシュートのレベルアップをしていきたい」。涙はもう乾いていた。全力で挑んだほろ苦い夏の経験は、桑名工業セブンをもう一段強くした。
(山田 智子 / Tomoko Yamada)