【バスケ】「明らかに力がない」からの23度目の頂点、常勝・桜花学園が勝ち切れる理由とは
全国高校総体(インターハイ)バスケットボール女子で桜花学園は2連覇を狙った岐阜女子(岐阜)を70-61で破り、2年ぶりに夏の女王の座に返り咲いた。実に23回目の頂点だ。
インターハイ女子バスケ決勝、桜花学園が男女含め最多23度目優勝
「決勝戦が初めてで戦い方に慣れてないから、ダメですね。この舞台で何回も優勝する先生たちはすごいなと僕は思います」
男子の決勝で敗れた中部大第一(愛知)の常田健コーチは、試合後こんな言葉を口にした。男女の違いはあれど、常田コーチが「この舞台で何回も優勝する先生」として間違いなく頭に思い浮かべたであろう一人は、桜花学園(愛知)の井上真一コーチだろう。
全国高校総体(インターハイ)バスケットボール女子で桜花学園は2連覇を狙った岐阜女子(岐阜)を70-61で破り、2年ぶりに夏の女王の座に返り咲いた。実に23回目の頂点だ。
毎年選手が入れ替わる部活動において、強さを保ち続けることは容易ではない。男女含めて最多の優勝回数を誇る絶対女王にも、“23者23様”の強さの理由や戴冠までのプロセスがあったはずだ。
「エース不在。明らかに力がない」と名伯楽が厳しい評価を下していた今年のチームは、始動当初は「インターハイ優勝のイメージは全く湧かなかった。東海大会に向けてチーム作りを進める中でも、反応が悪くてイライラしていた」と振り返る。
6月に行われた東海大会の決勝では安城学園(愛知)に66-91の大敗を喫し、第1シードを失う。さらにインターハイの直前には主軸の伊森可琳(3年)が怪我で戦線離脱のアクシデントにも見舞われるなど、逆境の中でインターハイを迎えていた。
そんな中、百戦錬磨の井上コーチは「今年のチームは今は力がないけど、大会を通して伸びていった経験が過去にあったので、一つずつ勝ち上がって、チームとしてレベルアップしていくようなチームにしたい」と2回戦の昭和学院(千葉)戦を前に選手に話したという。