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苦悩した前橋育英“10番”、13年ぶり優勝導く劇的弾 決勝前夜、仲間に伝えていた決意

今大会苦しんだFW高足善が後半アディショナルタイムに劇的な決勝ゴールを決めた【写真:平野貴也】
今大会苦しんだFW高足善が後半アディショナルタイムに劇的な決勝ゴールを決めた【写真:平野貴也】

殊勲のFW高足善「自分たちの最終目標は3冠」

 一番の武器が、最後に自分自身を助けた試合だった。5月、高足に自身のストロングポイントについて聞くと「小学生の頃から、運動量」と答えた。攻撃面で何度も相手のマークを外すだけでなく、守備でもファーストディフェンダーとして相手ボールを追いかける。常にボールに関わり続けることこそ、この男の真骨頂だ。

 夏場の連戦の最後の最後、そこまで走り続けてつかんだ得点機。春からずっと「チームを助けられる選手になりたい」と得点にこだわっていただけに、無得点の苦しさは大きかったが、持ち味を忘れずに挑み続けた10番が、その努力を知り、信じ続けた仲間の期待に応えた。

 自らのゴールで夏の全国優勝のタイトルを獲得したが、シーズンはまだ続く。前橋育英は、今季から念願叶ってユース年代最高峰のプレミアリーグに参加しており、EASTで4位と上位に食い込んでいる。そして、冬には全国高校選手権も控えている。高足は「自分たちの最終目標は3冠、満足せずに、もっとチームで切磋琢磨して、もっと強い育英を見せたい」と勝ち続ける意気込みを示した。得点で輝く10番の姿を、これからも見せ続けるつもりだ。

(平野 貴也 / Takaya Hirano)

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