「シュートのたびに吐き気が」― 日本屈指の名シューターがバスケを楽しめなかった理由
日本の部活動の在り方を考える「THE ANSWER」の連載「ニッポン部活考論」。今回は元バスケットボール日本代表の渡邉拓馬。一度は現役を退いたが、2018年から3人制バスケ「3×3」(スリーバイスリー)で再びコートに戻ってきた。来年の東京五輪から新種目に採用された3人制で夢の舞台を志す40歳は、競技者としての一方でジュニアへの指導にも力を注いでいる。自身のキャリアを振り返りつつ、自らの“指導論”を語った。
連載「ニッポン部活考論」―元日本代表の名シューターが語る“指導論”
日本の部活動の在り方を考える「THE ANSWER」の連載「ニッポン部活考論」。今回は元バスケットボール日本代表の渡邉拓馬。一度は現役を退いたが、2018年から3人制バスケ「3×3」(スリーバイスリー)で再びコートに戻ってきた。来年の東京五輪から新種目に採用された3人制で夢の舞台を志す40歳は、競技者としての一方でジュニアへの指導にも力を注いでいる。自身のキャリアを振り返りつつ、自らの“指導論”を語った。
【特集】5人制元日本代表はなぜ3×3で現役復帰したのか 「バスケ界に恩返しを」 / バスケットボール・渡邉拓馬選手インタビュー(GROWINGへ)
5人制時代は名シューターとしてならした渡邊。39歳にして「3×3」で現役に復帰し、東京五輪を目指す中で、これまでのバスケ人生を振り返った。それは常に重圧との戦いだったという。
「本格的にバスケを始めたのは小2からです。両親がミニバスのコーチで、最初は体育館に連れていかれたところから。そこからはずっと、小学校時代は厳しかった。親を納得させるプレーができたのは、中学の途中くらいまではなかったかもしれません。思うようにプレーできなかったし、褒められるようなこともなかった。小学校時代はつらい思い出ばかりです」
こう語り苦笑いする渡邉。厳しい親元でスタートさせたバスケ人生。数年間は「出ては怒られの繰り返し」だったと振り返る。特に厳しかったのは父だった。
「プレーよりも私生活とか挨拶、礼儀、コート上の態度。そういうところが厳しかった。ある時に、不貞腐れた態度をとるとめちゃくちゃ怒られた。小学校の時ですが、今でも鮮明に覚えていますね」
それでも続けられたのは、子どもながらに感じた“バスケのもつ魅力”だった。
「中学校の2年生くらいから少しずつイメージ通りのプレーができるようになって、楽しさを覚えた。バスケってワンパターンなプレーがない。毎回違う、多彩さに惹かれていった。自分のプレーでスタンドが歓声を上げてくれたり、感動してくれたり、子どもながらに感じました」