言葉も通じない異国でリーダーに成長 帝京長岡コネ「日本人と練習、勉強…楽しかった」
バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の男子準々決勝が27日、東京体育館で行われ、昨年準優勝の帝京長岡(新潟)は、今夏のインターハイと今秋のU-18日清食品トップリーグを制した福岡第一(福岡)と対戦し、53-68で敗れた。「自分のプレーができなかった。今日の試合に負けたのは自分のせい」と語ったコネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメード(3年)は、涙するチームメートを励ますなど、コートサイドでもリーダーシップを発揮していた。
ウインターカップ2022男子準々決勝
バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の男子準々決勝が27日、東京体育館で行われ、昨年準優勝の帝京長岡(新潟)は、今夏のインターハイと今秋のU-18日清食品トップリーグを制した福岡第一(福岡)と対戦し、53-68で敗れた。「自分のプレーができなかった。今日の試合に負けたのは自分のせい」と語ったコネ・ボウゴウジィ・ディット・ハメード(3年)は、涙するチームメートを励ますなど、コートサイドでもリーダーシップを発揮していた。
福岡第一の徹底マークを前に、第1クォーター(Q)から3ファウルを重ねるなど苦しんだ。チームトップの17得点、12リバウンドとダブルダブルを記録するも、追い上げを図る第4Q残り3分56秒で無念のファウルアウトとなり、最後までコートに立つことはできなかった。「自分がやらないと」という気持ちが空回りした。
「コネに頼っていた部分があった」と語る佐藤拓海(3年)らチームメートがここで奮起した。序盤はコネにパスを回しがちだったが、「後半コネがいなくなったときから自分がしっかりとゴールに向かっていけた」と果敢に攻め、チーム2位の16得点。懸命に福岡第一に食らいついた。
昨年のウインターカップで2年生ながらベスト5に選ばれるなど、今大会でも注目の存在だったコネ。悔いが残る形で高校バスケ生活の最後を迎えたが、帝京長岡での3年間を振り返る表情は晴れやかだった。高校1年生のときにアフリカのマリから来日。当時は全く日本語が話せなかったが、チームメートとコミュニケーションを取るために、必死で勉強した。いまでは取材対応も堂々と日本語でこなす。「日本人と一緒に練習したり、勉強したり、本当に楽しかったです」と笑顔を見せた。
立ち上がりから調子が上がらず、ハーフタイムで悔し涙を流す高峰勝(3年)の肩に手を回し、慰める場面もあった。プレー中だけでなく、様々な場面で仲間に声をかける姿勢が印象的だった。この1年で一番成長できた部分は「チームでコミュニケーションを取って、日本人といいバスケができたこと」。異国の地で見せた献身的な姿はリーダーそのものだった。
(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)