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夏のインハイ女王と戦い抜いた宮崎の県立校 熱血指揮官が宿した小林の「闘うマインド」

バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の女子2回戦が24日、東京体育館と大田区総合体育館の2会場で行われた。23日の1回戦で龍谷富山(富山)を下した県立校・小林(宮崎)は、今夏のインターハイを制した京都精華学園(京都)と対戦。63-85で敗れはしたものの、「本気で日本一を目指してやってきた」という橘裕コーチの言葉を裏付けるように、第1シードの強豪相手にも最後まで全く引かない粘り強さが光った。

チーム最多の25得点を記録した県立小林の平野和々美(中央)【写真提供:日本バスケットボール協会】
チーム最多の25得点を記録した県立小林の平野和々美(中央)【写真提供:日本バスケットボール協会】

ウインターカップ2022

 バスケットボールの第75回全国高校選手権「SoftBank ウインターカップ2022」の女子2回戦が24日、東京体育館と大田区総合体育館の2会場で行われた。23日の1回戦で龍谷富山(富山)を下した県立校・小林(宮崎)は、今夏のインターハイを制した京都精華学園(京都)と対戦。63-85で敗れはしたものの、「本気で日本一を目指してやってきた」という橘裕コーチの言葉を裏付けるように、第1シードの強豪相手にも最後まで全く引かない粘り強さが光った。

 東京体育館に大きな声が響き渡った。控えメンバー含め、チーム全体で鼓舞する姿が印象的だったが、その中でもひと際目立っていたのが、コートサイドから身振り手振りで指示を出す橘コーチの大声だった。終始声を張り上げ続けた橘コーチだったが、試合後に取材に応じた際には言葉に詰まり、捻り出すように選手への思いを口にした。

「本気で……日本一を目指してやってきたので、悔しいのと、これだけ頑張っている生徒たちに明日がない、その悔しさというか、申し訳なさというか……。一番近くで生徒の頑張りを見てきたので、悔しい思いはあるが、小林のバスケットを貫いての結果なので、受け入れて、人間性を高く、これから人としてもっと強くなってほしいという思いしかない」

 一番大事にしていたという「闘うマインド」は、最後まで諦めない姿勢としてコート上に現れた。それは日常生活から培われたものだという。「飛び抜けた選手がいるわけではないし、身長的にも小さいチームではあるが、それでも目標が日本一である限り、『今』に挑む、『今』という時間軸に挑戦する、ということは練習でも学校生活でも寮生活でも大事にしてきた。そこだけは自信を持って、小林高校の素晴らしさかなと思っている」と橘コーチは胸を張る。

 この試合、チーム最多の25得点でチームを引っ張ったのは2年生の平野和々美だった。「平野は来年のエースなので」と橘コーチがかける期待も大きい。「2年生でありながら試合に出ることで『立場を分かれ』とずっと言ってきた。立場が変わったときにやれることが変わっていなければいけないんだ、ルーキーシーズンが終わって、自分の個性を発揮するだけじゃ物足りないんだ、と。『3年生を勝たせるのは私だ』という意気でチームを背負え、と常々話している」と高い意識を求めている。

 橘コーチいわく、平野も自覚を持ち、日誌にも常にそのことを書いているという。「2年生ということで期待値を込めて『まだまだだ』と声をかけたい」と来年のエースに指揮官が求めるものはあくまで大きいが、「本当に素直な生徒で、自分のやれることを一生懸命やってくれた。平野らしい試合だったかなと思う」と労う姿はどこか誇らしげだった。熱血コーチの下、最上級生という立場に変わった平野を中心とした来年の小林がどのようなバスケットを見せてくれるか、今から楽しみだ。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro-Muku)

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