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決勝で初スタメン&同点弾 静岡学園の2年生FWが得点王に代わり起用された理由

第98回全国高校サッカー選手権の決勝が13日、埼玉スタジアム2〇〇2で行われ、静岡学園(静岡)が青森山田(青森)に3-2で勝利。両校優勝だった1995年以来、24年ぶり2度目の優勝を手にした。同点ゴールを決めたFW加納大(2年)は本来はエースストライカーながら、故障を抱えていたため今大会初スタメンだった。大一番での起用の裏には、指揮官の直感があったようだ。

同点ゴールを決めた加納大【写真:荒川祐史】
同点ゴールを決めた加納大【写真:荒川祐史】

本来エースも故障で準決勝まで途中出場、指揮官は「僕の直感」と告白

 第98回全国高校サッカー選手権の決勝が13日、埼玉スタジアム2〇〇2で行われ、静岡学園(静岡)が青森山田(青森)に3-2で勝利。両校優勝だった1995年以来、24年ぶり2度目の優勝を手にした。同点ゴールを決めたFW加納大(2年)は本来はエースストライカーながら、故障を抱えていたため今大会初スタメンだった。大一番での起用の裏には、指揮官の直感があったようだ。

 最高の舞台。起用にエースが応えた。1点を追う後半16分、ペナルティエリア前でボールを受けた加納は、エリア内に侵入して左足を一閃。見事にゴール右隅に同点弾を叩き込んだ。右手を上げてベンチへ向かい、チームメートと喜んだ。「利き足じゃない方で打つ練習もしていたので自信があった。絶対チャンスは来ると思っていたので、一発結果を残せば、自分の存在価値を上げることができると思ったので、そこで一発決められたのがよかった」と点取り屋の誇りを感じさせた。

 開幕前に左膝を負傷し、準決勝までスタメン出場はなかった。加納に代わってスタメン出場していたFW岩本悠輝(3年)が今大会の得点王となる5得点をマークしていたこともあり、当初は決勝も岩本が出場することが予想されていた。しかし、川口修監督は「足の状態が非常に良くなってきていた。練習の動きを見て、僕の直感というか、本人の目がギラギラしていて『絶対に俺を使ってくれ』というものが見えた」と12日の練習での姿を見て起用を決断したという。

 また、初戦から5試合を戦ったことで、戦術が相手に分析されていることも考えた。「加納が入ることで真ん中でタメもでき、また違ったリズムが生まれる。ある程度研究されているだろうなというのと、岩本も計算できるので、ジョーカーとして、リズムが悪い時、流れを変えたい時に岩本でいいかなということで」とエースの起用を説明した。

 加納が得点を奪う直前、指揮官は岩本と交代させようと考えていたという。「青森山田さんが縦パスに対して本当に強くて。岩本は裏へ抜け出したり、マークを外す一瞬のスピードがある。準備していた時に点を取ったので(交代を)待ちました。『止めよう』と(笑)」とギリギリの状態で得点していたことを明かした。

 今大会は十分な出場機会があったわけではないが、まだ2年生。足の状態に問題はないという加納は「自分の名前が売れたことで背負うものもあるし、厳しいものが待ち受けていると思うけれど、それをはねのけてこその静学だと思う。今大会は1点しか取れず悔しい気持ちはあるので、来年は得点王を目指して、チームを優勝に導くことを目指したい」と早くも来年を見据る。サッカー王国完全復活には、この男の活躍が必要不可欠になるはずだ。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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