スケボー継続、野球は外れ… 五輪はなぜ競技がコロコロ入れ替わる? 理由には「IOCの忖度」が…
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
「シン・オリンピックのミカタ」#28 連載「オリンピック・トリビア」第8回
スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト「THE ANSWER」はパリ五輪期間中、「シン・オリンピックのミカタ」と題した特集を連日展開。これまでの五輪で好評だった「オリンピックのミカタ」をスケールアップさせ、4年に一度のスポーツの祭典だから五輪を観る人も、もっと楽しみ、もっと学べる“新たな見方”をさまざまな角度から伝えていく。「社会の縮図」とも言われるスポーツの魅力や価値の理解が世の中に広がり、スポーツの未来がより明るくなることを願って――。
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今回は連載「オリンピック・トリビア」。いろんなスポーツが行われる五輪を見ていると、それぞれの競技のルールやしきたりなど「よくよく考えると、これってなんで?」と不思議に思うことがないだろうか。スポーツ新聞社の記者として昭和・平成・令和とスポーツを40年追い続けたスペシャリスト・荻島弘一氏が、そんな今さら聞けない素朴なギモンに回答。オリンピック観戦を楽しむトリビアを提供する。第8回は「新しい競技をやったり、やらなかったりするのはどうして?」。
◇ ◇ ◇
Q.新しい競技をやったり、やらなかったりするのはどうして?
A.IOCの開催都市への忖度があるから。
【解説】
東京大会では、これまでオリンピックとは縁遠かったサーフィン、スケートボード、スポーツクライミング、空手が実施され、野球・ソフトボールが復活しました。ところが、パリ大会では野球・ソフトと空手が外れ、ブレイキンが種目入り。大会ごとに実施競技の顔ぶれが変わります。
実は、大会によって競技の出入りが激しくなるのは東京大会から。IOCが14年末に発表した「アジェンダ2020」で「大会組織委員会は大会プログラムに1つまたは複数の種目を追加すると提案できる」としたことがきっかけ。これが「開催都市提案による追加種目」です。
莫大な経費や環境問題などで、近年は大会を招致する都市が減少しています。そこで、IOCは開催都市による新たな種目の提案を認めたのです。組織委員会は大会を盛り上げるために自国で人気のある競技、メダルが狙える競技などを提案。IOCが認めれば、実施が決まります。
東京大会では組織委員会が5つの競技を提案。サーフィンやスケボー、クライミングはIOCの意向が強かったといわれますが、それでも日本は5競技で金メダル6個を含む14個のメダルを獲得。開催都市提案種目としては、十分の成績を残しました。
パリ大会では前述のサーフィン、スケートボード、スポーツクライミングに加えてブレイキンが実施されます。陸上、水泳、体操などオリンピックを代表する競技もありますが、大会に新しい「色」をつけるのは、これら新しい競技なのかもしれません。
ちなみに、28年ロサンゼルス大会では野球・ソフト、クリケット、ラクロスがオリンピックに復活。新たにフラッグフットボールとスカッシュが行われることが決まっています。
(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)