「痩せたいから筋トレしたい人」ほど迷宮入り 耳にタコができても言いたい減量の基本
筋肉量を増やすためには「タンパク質と糖質」の両方が必要
特に、制限しがちなのが炭水化物。
今や「筋肉量を増やすにはタンパク質を摂らないとダメ」ということは、多くの方が知っています。一方、炭水化物は「体脂肪になるから」と敬遠されがち。この記事を読んでいる方のなかにも「タンパク質は摂るけれど炭水化物は抜く」食事を、実践されている方は多いのではないでしょうか。
しかし、筋肉量を増やすためには、「タンパク質と糖質」の両方が必要です。
炭水化物をちゃんと摂らないと、体内で「糖新生」という現象が起きます。これは、糖質が足りないとタンパク質を分解することでエネルギーを生み出す、というシステム。糖新生が起こると、せっかく筋トレをしても、筋肉が作られないどころか筋肉量が減ってしまいます。
これを言うと「耳にタコができる」と言われそうですが、筋肉を作るにも結局は、「バランスのよい食事」を摂ることが大切です。
バランスのよい食事は、ポイントさえ押さえれば簡単に実践できます。ご飯は茶碗1杯分(糖質)、メインのおかずは手のひらと同じぐらいの大きさと厚みの魚か肉(タンパク質)。これに1品、野菜のおかずを添えればOK。野菜はおひたしでもサラダでも、具沢山の味噌汁でもいい。この3品を揃えるだけで、勝手に「筋トレの成果が出る、そしてダイエットにもなるバランスのよい食事」の完成です。
さらに、間食やデザートに1日1回、果物とヨーグルトを加えれば完璧。ちなみにこの「ご飯+一汁一菜」は私自身も実践しています。以前、この連載でも詳しく紹介していますので(https://the-ans.jp/training/133547/)、興味のある方はぜひ、そちらも参考にしてください。
逆にNGの食事は、摂取カロリー量ばかりを気にして、野菜と果物ばかり食べ、たんぱく質はプロテインで摂る、というパターン。プロテインは基本、補助食品として考えてください。肉や魚を食べるからこそ、たんぱく質以外の栄養素も摂ることができ、バランスが整うのです。
厳密に言えば、「筋トレだけ」では体脂肪は減りませんが、体脂肪を減らすためには筋トレは欠かせません。最初の3か月はしっかり筋トレを行い、同時にバランスのよい食事を摂る。そして、筋肉量が上がったところで、さらに有酸素運動をすれば、確実に体脂肪は減っていきますよ。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)