64年前の金メダリストへ“孫弟子”の恩返し 落合晃、800m圧勝「またご挨拶に」…駅伝名将の教え子が繋いだ歴史
1962年の金メダリスト森山葵さんは大八木総監督の恩師
滋賀県高島市出身の20歳。滋賀学園高時代から世代を代表する中距離ランナーとして活躍し、2024年のU20世界選手権では銅メダルを獲得した。駒大進学後、昨夏は世界選手権東京大会にも出場。世界の舞台を経験し、さらなる飛躍につなげてきた。
今季は一気に日本の歴史を塗り替えた。自己ベストは1分43秒45と、5月に2度の日本記録を更新。日本人未踏の1分43秒台に突入し、世界との距離を縮めてきた。
圧勝だったが、開いた扉はとてつもなく重かった。アジア大会の男子800メートルで、日本勢は1954、58年大会を連覇した室矢芳隆、62年大会の森本葵が金メダルを獲得。しかし、その後は長く頂点から遠ざかり、メダル自体も1978年大会の銅メダルが最後だった。64年ぶりの優勝であり、48年ぶりのメダルという快挙だった。
まさに最高の「孫弟子」だ。最高の形で歴史をつないだ。
大八木総監督の現役時代の恩師が、元800メートル日本記録保持者で、長らく駒大監督を務め、2021年に亡くなった森本葵さんだ。レース前、落合は森本さんの妻に会ったという。
「『金メダルを取ってきてね』と激励されました。金メダルを取って、またご挨拶に行けるのはうれしい。総監督にも恩返しになる。ずっと駅伝とか長距離を見ている先生が中距離を見てくださるのは(普通は)ないこと。こうして一つ、結果で恩返しできたのはよかった」
自国開催のアジア大会で頂点に立ち、歴史を刻んだ。「今後は世界陸上、オリンピックで戦っていく。そこでしっかり決勝も残ってメダル争いに加わっていきたい」と落合。常々、大八木総監督からは「世界大会で勝負できないとダメだ」と言われている。
ここは通過点。さらなる高みを見据えていく。
(取材=寺田 辰朗 / 構成=THE ANSWER編集部)
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