19日にWBO世界ウェルター級タイトルマッチ

　ボクシングのWBO世界ウェルター級タイトルマッチ12回戦に挑戦する同級2位・佐々木尽（八王子中屋）が17日、横浜市内のホテルで会見し、意気込みを語った。19日に東京・大田区総合体育館で、同級王者ブライアン・ノーマン（米国）と対戦。両者はフェースオフで約20秒にらみ合い、一触即発の雰囲気が漂った。興行はNTTドコモの映像配信プラットフォーム「Leminoプレミアム」で有料生配信。戦績は23歳の佐々木が19勝（17KO）1敗1分、24歳のノーマンが27勝（21KO）2無効試合。

　殺気をまとって火花を散らした。会見ではともにバンダナを頭に巻いて登場した王者と挑戦者。フォトセッション後には約20秒のフェースオフ。20センチ程の距離で、互いの顔を真っすぐ見つめた。にらみ合う2人は終了の合図にも応じず、間に割って入った司会者に制止され、ようやくその場を離れた。

　佐々木は「ノーマン選手はボクシングに懸ける思いが本当に強い。自分も全て懸けてきたので感じ取れる。このぐらいの気持ちを持った王者でないとやりがいがない」と思いを口にした。不利予想の見方がある点について自ら切り出し「（ノーマンの）公開練習を見て『厳しいな』っていう声がすごい多いんですけど、それがめっちゃ嬉しい。勝った時に盛り上がる」と闘志を燃やした。

　続けて「今の自分の実力からして、客観的に見たら8：2くらいで勝つ。普通に勝てると思っている」と分析。無敗王者相手にも自信をみなぎらせた。

　一方のノーマンは、佐々木の発言を受け「（勝率）80％って『それだけかよ』っていう思いがある」と王者の風格。挑発した上で「自分と試合することを『大きなものとして乗り越えたい』と、正直にさらけ出してくれたことはリスペクトしている」と余裕の表情を浮かべた。

　さらに「彼は志高く、リングに入ってくると思うが、こちらは準備万端で臨戦態勢。試合というよりも、自分自身が日々やってきたことを出す機会。ボクシングというスポーツを愛しているが、純粋に戦うことが好き。楽しんで戦いたい」と力を込めた。

　ウェルター級は、ミニマム級からミドル級までの13階級で、過去に日本人世界王者がいない唯一の階級。これまで辻本章次、龍反町、尾崎富士雄、佐々木基樹が挑戦したが、いずれも敗れた。佐々木で日本人5人目の挑戦。日本で同級の世界戦開催は1989年12月の尾崎以来36年ぶりとなる。