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重岡銀次朗、9回KOで世界王座獲得! 初回ダウンから逆転、史上初の兄弟同時世界王者へ弟が先勝

ボクシングのIBF世界ミニマム級暫定王座決定戦12回戦が16日、東京・代々木第二体育館で行われ、同級4位・重岡銀次朗(ワタナベ)が元同級王者の3位レネ・マーク・クアルト(フィリピン)に9回2分55秒KO勝ちした。アマチュア時代から“生涯無敗”だった23歳。1月の世界初挑戦は王者の負傷で無効試合に終わっていた。メインイベントでは、兄・優大(ワタナベ)がウィルフレッド・メンデス(プエルトリコ)とのWBC同級暫定王座決定戦で世界初挑戦する。戦績は23歳の銀次朗が9勝(7KO)1無効試合、26歳のクアルトが21勝(12KO)4敗2分け。

9回2分55秒にKO勝ちした重岡銀次朗(奥)【写真:荒川祐史】
9回2分55秒にKO勝ちした重岡銀次朗(奥)【写真:荒川祐史】

亀田興毅氏がプロデュース「3150FIGHT Vol5」

 ボクシングのIBF世界ミニマム級暫定王座決定戦12回戦が16日、東京・代々木第二体育館で行われ、同級4位・重岡銀次朗(ワタナベ)が元同級王者の3位レネ・マーク・クアルト(フィリピン)に9回2分55秒KO勝ちした。アマチュア時代から“生涯無敗”だった23歳。1月の世界初挑戦は王者の負傷で無効試合に終わっていた。メインイベントでは、兄・優大(ワタナベ)がウィルフレッド・メンデス(プエルトリコ)とのWBC同級暫定王座決定戦で世界初挑戦する。戦績は23歳の銀次朗が9勝(7KO)1無効試合、26歳のクアルトが21勝(12KO)4敗2分け。


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 銀次朗は客席を煽ってリングに上がった。初回、サウスポーの銀次朗は好戦的にパンチを出した。初回中盤に被弾して倒されたかに思われたが、スリップ判定。しかし、終了間際に右ストレートでダウンを喫した。2回、今度はワンツーを当て返して倒したかに思われたが、またもスリップ判定。出入りの激しいクアルトの頬から血が流れ、偶然のバッティングとジャッジされた。

 3回、銀次朗は徐々に距離に慣れ、ペースをつかんでいった。会場の少年たちからは「ぎんじろう~!」の声援。6回、銀次朗の左ボディーが鈍い音を立てた。ロープに詰めて削っていく。左ストレートで一度はダウンがコールされたが、この試合からIBFで新たに導入された映像判定「VTS」(ビデオ・テスティング・システム)によりスリップに訂正された。

 7回、銀次朗の打ち終わりを狙うクアルト。しかし、銀次朗が強烈な左ボディーを入れてダウンを奪い返した。再開後もロープに詰めると大歓声。8回にはクアルトの頭突きとローブローもあり、レフェリーが注意を与えた。9回にも偶然のバッティングでクアルトのドクターチェック。再開後、銀次朗がまたも左ボディーを入れ、ダウンを奪った。

 再開後も銀次朗が左ボディーを入れ、3つのダウン。10カウントが流れ、コーナーに登って「シャー!!」と絶叫し、喜びを爆発させた。リングインタビューでは「皆さんありがとうございました、チャンピオンになりました!」と歓喜。「楽に倒してカッコいい姿見せるつもりだったんですけれど、初めてダウンした貴重な試合。苦戦してすみません」と安堵する様子もあった。

 銀次朗は幼稚園で空手を始め、小学4年にアマでボクシング人生をスタート。2学年上の兄・優大とともに父・功生さんの厳しい指導を受けた。地元の熊本・開新高では全国5冠。アマ戦績は56勝1敗だったが、兄との直接対決で初回のゴング直後に棄権したのが唯一の黒星となり、U-15時代も含め、プロ入り後も事実上の“生涯無敗”だった。

 高校卒業後にワタナベジム入り。デビュー4戦目にWBOアジアパシフィック王座を獲得した。同王座を2度、日本王座を1度防衛。身長153.5センチながらミニマム級離れしたパワーで道を切り拓き、具志堅用高氏の持つ世界戦13回連続防衛の日本記録更新を夢に描いた。

 今年1月にIBF王者ダニエル・バラダレス(メキシコ)に世界初挑戦したが、3回に偶然のバッティングで王者が負傷。試合続行不可能となり、無効試合で涙を流した。劣勢だった王者が故意に負傷を狙う作戦に出たことが疑われた一戦。今回もバラダレスが左鼓膜負傷を訴えて再戦は実現せず、クアルトとの暫定王座決定戦になった。

 涙の無効試合からちょうど100日。自身も被災した熊本地震から7年が経ち、「明るいニュースを届けたい」と活躍を誓って戦った。熊本に勝利を届けた銀次朗は「プレッシャーもあって、どうしても笑顔を届けたかったのもある。熊本で世界のベルトだけを夢見て兄貴と頑張ってきた。めちゃくちゃ嬉しいです」と笑顔を見せ、「重岡兄弟を応援してくれたら自分たちも頑張れるので、これからもよろしくお願いします」とファンにメッセージ。拍手喝采を浴びた。

 元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏がプロデュースするボクシングイベント「3150FIGHT Vol5」として行われた今回の興行。初の東京開催となり、ABEMAで無料生配信された。日本の兄弟世界王者は興毅、大毅、和毅の亀田3兄弟、井上尚弥&拓真の2組だけ。日本人で同じ日に兄弟同時の世界王座戴冠は過去になく、同日同階級に限れば世界でもいない。

(THE ANSWER編集部)

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