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谷田成吾「もしプロがダメなら…」 取材の最後に明かした“ドラフト後”に描く人生

慶大時代に「由伸2世」の愛称で知られた四国アイランドリーグ徳島・谷田成吾外野手が、25日に行われるプロ野球ドラフト会議で指名を受けなければ、野球を引退することを「THE ANSWER」のインタビューで明かした。高校、大学、社会人のすべてのカテゴリーで日本代表を経験し、エリート街道を貫いてきた25歳がJX-ENEOS退社、米トライアウト挑戦を経て、入団した独立リーグ。今年、ダメなら野球は辞めます」と決意を告白した。

インタビューで最後のプロ挑戦と明かした谷田成吾【写真:編集部】
インタビューで最後のプロ挑戦と明かした谷田成吾【写真:編集部】

「由伸2世」インタビュー取材後記―“最後のプロ挑戦”にかけた25歳の横顔

 慶大時代に「由伸2世」の愛称で知られた四国アイランドリーグ徳島・谷田成吾外野手が、25日に行われるプロ野球ドラフト会議で指名を受けなければ、野球を引退することを「THE ANSWER」のインタビューで明かした。高校、大学、社会人のすべてのカテゴリーで日本代表を経験し、エリート街道を貫いてきた25歳がJX-ENEOS退社、米トライアウト挑戦を経て、入団した独立リーグ。今年、ダメなら野球は辞めます」と決意を告白した。

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「由伸2世」と呼ばれた谷田成吾、最後のプロ挑戦の告白「今年ダメなら野球辞めます」

 ◇ ◇ ◇

 谷田とじっくり話をするのは、3年ぶりだった。慶大4年秋、ドラフト会議で指名漏れを味わい、進路をJX-ENEOSに決めた直後の12月。都内の喫茶店に連れ出し、思いを聞いた。当時の取材では、ある球団が事前に2位指名の方針を固めていたと聞いた。しかし、直前になって急転。「ドラフト指名間違いなし」と目されながら、まさかの指名漏れを味わった。「悲劇の主人公」となった22歳は、どれだけの心中かと慮ったが、意外にも前向きだった。こんな言葉が今も印象に残っている。

「悲劇なんかじゃないですよ。周りはそんなふうに言ってくれるけど、泣きようがないですから。4年間、最大限やってきたけど、評価はされなかった。誰のせいでもなく、実力のない自分が悪いだけ。でも、自分が物語の主人公としたら、夢を途中で諦めちゃうなんて、カッコ悪いじゃないですか。あとは自分次第です」

 あの日以来、JX-ENEOSに入社して苦しみ、退社、米マイナー挑戦、独立リーグ移籍と激動の2年半を過ごした。そして、「今年、ダメなら野球を辞める」という言葉には驚いた。社会人で野球を続けていく道もある。しかし、それも断っての決断。これほどまでに強烈な“プロ志望”を持っている選手も珍しい。いずれにせよ、10月25日のドラフト会議で新たな人生が始まる。「由伸2世」ではなく、一人の人間として、その後をどんなふうに生きていきたいのか。取材の最後に、ぶつけてみた。

「そうですね……カッコ良く生きていきたい、ですね。人生が終わる時、この人の人生すごく面白いなと思ってもらえるような、物語の主人公のように生きていきたい。高校、大学、社会人で日本代表なって、でも一回もドラフトにかからず、アメリカ、独立リーグまでチャレンジして、ここからプロ野球選手になって活躍できたら、それはそれですごくおもしろい。何より、ここまで応援してくれた人に恩返しとして、いい姿を見せたい。そういう自分の筋を通せることがカッコ良いものになると思うんです」

「物語の主人公」という言葉が当時とリンクした。ちょっとキザに聞こえるが、不思議と嫌味は感じない。そして続けた。

「もしプロがダメだったとしても、そこから始まる物語もおもしろい。新しい場所で、新しい物語を自分で一から作り出せればいい。ここまで支えてくれた人に応援して良かった、いい生き方をしてるなと思ってもらえることが恩返しになる。常に今まで経験したことをプロローグにしながら、何か生み出していきたい。なりたい人間像は野球じゃなくても変わらないので。野球選手ならこう、というものがあるけど、根本は変わらない。人に応援される人でありたいし、人を応援する人でありたいです」

 25歳、随分と大人になった。初めて見たのは、高3で高校日本代表として挑んだ2011年夏のAAAアジア選手権と記憶している。あれから7年。「由伸2世」という肩書を背負ったがゆえに誤解されることもあるが、真っすぐな好青年であることは出会った当初から変わらない。夢を叶えるために自分の信念に基づき、決断、行動する姿勢は、一人の若者として立派と感じている。

 いよいよ、迎える10月25日のドラフト会議。どんな結末になるにせよ、“物語の行方”を楽しみに見守りたい。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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