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「ラグビーをさせたくない空気」に強豪校も危機感 中学年代で競技人口が減る要因とは

102回目を迎えた全国高校ラグビー大会は、東福岡の6大会ぶり7度目の優勝で幕を閉じた。花園を舞台に強豪同士が激突する一戦がラグビーファンの注目を集めた一方、今大会では鳥取・倉吉東が対戦校のメンバー不足により県予選を1試合も戦わずに全国出場を決めるなど、参加校不足もクローズアップされた。高校年代の競技人口減少が指摘されるなか、日本ラグビー発展のためにすべきことは何か。後編では花園常連校を率いる指導者にも話を聞き、各地で向き合っているさまざまな問題や解決法を探った。(取材・文=吉田 宏)

わずか2校の県予選を勝って花園にやってきた山形南。黒沢尻北を相手にひたむきにタックルを繰り返した【写真:吉田宏】
わずか2校の県予選を勝って花園にやってきた山形南。黒沢尻北を相手にひたむきにタックルを繰り返した【写真:吉田宏】

高校ラグビーの課題と未来への挑戦・後編

 102回目を迎えた全国高校ラグビー大会は、東福岡の6大会ぶり7度目の優勝で幕を閉じた。花園を舞台に強豪同士が激突する一戦がラグビーファンの注目を集めた一方、今大会では鳥取・倉吉東が対戦校のメンバー不足により県予選を1試合も戦わずに全国出場を決めるなど、参加校不足もクローズアップされた。高校年代の競技人口減少が指摘されるなか、日本ラグビー発展のためにすべきことは何か。後編では花園常連校を率いる指導者にも話を聞き、各地で向き合っているさまざまな問題や解決法を探った。(取材・文=吉田 宏)

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 花園常連校と言われる強豪チームの指導者も、参加校や部員数の減少という問題を抱えながら日々強化に取り組んでいる。全国高校ラグビー大会に出場した島根・石見智翠館の安藤哲治監督からも、貴重な意見を聞いた。

 32年連続出場の石見智翠館が戦う島根県も、チーム数不足に苦しんできた。今季の県予選参加チームはわずか「2」。しかも1校は合同チームというなかで、智翠館は花園でベスト4が1回、ベスト8も2回という実績を残してきた。今大会でも3回戦まで勝ち上がり、奈良・天理に8-15と奮闘している。関西などジュニアラグビーが盛んな地域から多くの選手が入学しているのも智翠館の特色だが、「自チームの強化」と同時に「競技人口」という2つの戦いを続けているチームでもある。

 就任22年目の指揮官は、島根の実情をこう語っている。

「今まで出雲高校さんが単独で頑張ってくれていたんですけど、コロナの影響で試合もできない、遠征もできないというこの2、3年の影響がありました。今年も部員はいたんですけど、春くらいで退部してしまっていた。やはり、発表の場がないことで面白くないんでしょうね。鍛えても、やってもやってもその場がないですから。石見智翠館も、うちだけ良ければいいという思いは全くなくて、僕も中国地方の(協会)委員長もしているので、鳥取とか島根とか他県もそうですけど、もう少し何かしていかないといけないという思いはあります」

 強豪チームの指導者であり、地域の協会でも役職を持つ立場からの、即効性のある取り組みがあるのかも聞いてみた。

「何かカテゴリーを分けたような試合をするなど、とにかく試合経験を増やしてあげたいなという思いはありますよね。だからといって、部員が増えるのか分からない。でも、もう少しラグビーを今やっている子が満足感を得るような、体験をできるような機会を作ってあげたい。少人数での部活だけでは、(現行のルールでは)対戦相手もいないし、練習中もゲーム形式のメニューができない状況です。同じようなレベル同士で試合ができるような環境を、僕らが整えていかないといけないのかなという気はしますね」

 10人制や12人制という人数の少ない形式での実戦、大会も柔軟に検討するべきなのかもしれない。そして島根、中国地方で感じるラグビーに対する雰囲気や、中学生年代での普及の難しさについても語ってくれた。

「(少子化、ラグビー離れで)ラグビーをさせたくないという空気はあるのかなとは感じますよね。中学レベルでの普及については、僕らもジュニアの普及活動をやっていたこともあって、地元の子が入ってきてくれた時期もありました。今も小学生レベルではラグビーをしている子はいるんですけど、(部活がない)中学になると、ちゃんとした部活(他競技)のほうに行ってしまう子がほとんどです」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19年と6大会連続で取材。

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