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東京五輪で禁止された水泳キャップが、子どもの生死にかかわるのはなぜか

スピード社のキャップと比較すると大きさの違いは明確に【写真:谷口輝世子】
スピード社のキャップと比較すると大きさの違いは明確に【写真:谷口輝世子】

スポーツファンは自分に特性を持つ選手を応援する傾向

 スポーツファンは、自分に似た特性を持つ選手を応援する傾向がある。今回のオリンピックでもそれが当てはまるかどうか分からないが、これまでの五輪では、日本のファンは、日本代表選手を応援することが多いというのもその表れだっただろう。

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 また、カナダで子どもたちに、どのスポーツ選手が好きかと調査したところ、自分のやっているスポーツで、自分と同じポジションの選手を好んでいること分かったそうだ。

 自分と同じような肌の色、髪質の選手が、その髪質にあったキャップを被って泳ぐ姿がテレビ画面に映し出されることは、黒人の子どもをスイミングプールに向かわせて、泳ぎを覚えることを後押しする力になり得るだろう。

 オリンピックでの水泳キャップ禁止は、日々の生活のなかで子どもたちの溺死を防ぐためにはどうするか、ということにも無関心であることを示していると、私は思う。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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