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新年度が始まる米国の学校 「新型コロナと高校運動部」で直面する日本と同じ葛藤

大学進学で生徒と保護者に焦り、活動再開地域へ引っ越し・転校する例も

 ペンシルバニア州では州知事がオンラインだけで授業を始める学校は、秋季の運動部活動を取りやめるよう勧めたことで、反発が起こった。

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 ペンシルバニア州の高校運動部の統括組織は、もしも、州知事に従って学校運動部の活動を停止しても、学校外の民間が提供するスポーツの場に生徒が流れていくだけだ、という反論をした。学校運動部という場がなければ、生徒たちは他の場を求めてスポーツをすることになり、そこでも感染する可能性はある。現実に、夏休み期間中には、民間の開催したトーナメント大会で集団感染が起こっている。学校ならば、感染対策をした上で、できる範囲での活動をするという自負もあるのだろう。

 また、生徒の安全・健康面を懸念するからこそ、感染対策をした上で、できる範囲での活動をするべきだという意見も出ている。春に運動部活動を中断したことで、生徒の心身の健康にネガティブな影響があったというアンケート調査などが出てきているからだ。

 前述したように学校運動部の活動をどこまで再開するかは州政府、州の運動部統括組織、学校の判断に依るところが大きい。そのため、学校運動部を再開している地域への引っ越しや転校するケースも出てきているという。転校しても一定期間は公式戦に出られないなどの規則はあるが、大学から競技優秀者向けの奨学金を提示してもらい、リクルートされるためには、公式戦に出場するほうが有利であるという考えだろう。最終学年に近づいている生徒と保護者に焦りはある。

 屋内の教室で密になって授業を受けることは感染リスクは高いだろうが、屋外で社会的距離を保ちながらの練習ならば、教室で一斉に授業を受けるよりは感染リスクは低いだろう。それに、運動部活動は希望者だけが参加しているので、感染するのではないか、という不安がある保護者や生徒は、参加しないことを選択することができるという意見もある。

 しかし、学校運動部再開に慎重な姿勢の教育者も少なくない。通常の授業ができていない状態で運動部活動を再開することは「運動部活動は特別」というメッセージを発信してしまうのではないか、ということを懸念しているのだ。中高生のスポーツの場が学校とつながっている日本でも、米国でも、同じような葛藤を抱えている。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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