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高校グラウンドに鍵、難しい自宅個人練習 新型コロナ問題が米国の部活動にもダメージ

子どもたちはどうしている? 民間ジムは休業、高校のグラウンドに鍵

 では、子どもたちはどうしているのか。

 私の住むミシガン州デトロイト郊外の学校区は3月16日から休校。前述したように全ての運動部活動も中止。学校外の多くの子どものスポーツも中止になった。しかし、休校になり家庭でのオンライン学習が始まった時点では、まだ、自主練習は何とかできる状況だった。近所の公立高校のグラウンドはいつもと同じように一般住民に開かれていて、走ったり、ボールを投げたり、蹴ったりして、個々に練習している中高生や、体を動かしに来ている住民がたくさんいた。また、いつも通っている民間のスポーツジムも通常通りに営業していた。

 このとき、私は「たまにはこういう時間があるのもよい」と感じていた。

 カレンダーにびっしりと書かれた練習や試合の予定に追われることがない。誰に強制されるわけでもなく、どれくらいやるか、どんなことをやるかを、自分で決められる貴重な機会だと捉えていたからだ。多くの中高生たちにとってスポーツ活動や運動部活動は競技であるだろう。けれども、外で体を動かして遊ぶことの延長で、いつもと違った面白さを味わうことのできる時間でもあったと思う。

 ところが、そのような時間はわずか数日で終わった。

 民間のジムは休業。住民がアクセスできるようになっていた高校のグラウンドも鍵がかけられて入れなくなった。広場を探しても、同居する家族以外とは180センチ離れなければいけないので、近所の友達と外で遊ぶというのも難易度が高い。

 SNSにはアスリートたちが、小さいスペースでもできる技術練習などを動画で紹介してくれている。米国では休校中にオンラインで授業を受けている子どもが多いが、オンラインでコーチとつながって個人練習ができるようなアプリやサービスもある。ただ、公園も使えない状況下で、しかも、私の家のように、家が狭い場合、家のなかでの個人練習も思うようにはいかない。

 本来ならば、野球、ラクロス、陸上など春季スポーツの練習が始まっている時期である。バージニア州では、すでに高校運動部の春季スポーツの中止を発表。最終学年の生徒たちは、このまま高校生活が終わりそうである。

(谷口 輝世子 / Kiyoko Taniguchi)

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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