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生理の課題「男性にも知ってもらいたい」 女性も、男性も、自分の体を知ることの大切さ

「自分の状態を伝えられる力をつけてほしい」と伊藤氏は女性アスリートにメッセージを送った
「自分の状態を伝えられる力をつけてほしい」と伊藤氏は女性アスリートにメッセージを送った

女性アスリートに持ってほしい「伝える力」

――プロアマ問わず、女性アスリートに伝えたいことは?

「どのレベルのアスリートも、競技力向上を目標に競技を続けてらっしゃると思います。また、よいパフォーマンスを発揮することによって、多くの方が、スポーツを楽しみ、ファンになってくれる方が増えて欲しいと願っていると思います。

 そのなかで、若いアスリートにとっては、月経ってただ面倒くさい存在かもしれません。でも、競技を終えても、自分の体との付き合いはずっと続きます。そして、月経は一生、健康であるために、必要なものです。ですから、アスリートである以上、競技力を上げることは基本ですが、同時に、自身の体のことを伝える力をつけてほしい。

 例えば、PMS(月経前症候群)や月経時に『お腹が痛い』とします。ただ『お腹が痛いから休みたい』ではなく、例えば「自分の月経周期はこうで、この時期に体調が悪くなります』とか、『月経痛やPMSが重いので病院に行きたい』とか『実は通院しています』など、先生方や指導者、コーチングスタッフに、自分の状態を伝えられる力をつけてほしいと思います。

 体のことは一生自分に付いて回ります。コーチが、親が『こう言っている』ではなく、自分自身の体のことは自分で選択し、決定できる、自立した競技者になって欲しい。これは、男性アスリートにも伝えたいことです。

 同時に、言える雰囲気を作ることも大事です。これは、スポーツをしてない方にも言えると思います。例えば、具合が悪くても、多少、熱が出ても会社を休めないと言う方は少なくないですよね。

 伝えられる力をつけ、伝えられる雰囲気を作る。これができると、自立したアスリートが育ち、指導者と選手間も『上下関係』ではなく『横の関係』を築きやすくなるのかなと思います」

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)


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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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